2017/01/19
パリ ファッションウィークメンズ、「イコサエ」デビュー
2017/01/19
耳にはピアス、足には「ドクターマーチン(Dr. Martens)」を纏ったモデルが、黒いロングコートでランウェイを歩く。金属のボタンや、肩にあしらったシルバージップ、あるいはアームバンド風に袖に白い反射素材をあしらったアイテムに、キルトスカートをレイヤードしたようなストライプスーツといったルックが目を引いた。

« アンチヒーロー »的なワードローブの基本はモノクロで、Tシャツなどの数アイテムに使われた赤だけがアクセントを添えていた。パリ ファッションウィークの公式スケジュールに初のデビューを飾った「イコサエ」は、ポストインダストリアルなアンダーグラウンドの雰囲気を、黒のトータルルックで表現して見せた。
「ダークでもパンクでもなく、パンチーなパンクだ」と話すのは、兄弟のフロランタン(Florentin)と共にブランドを率いるヴァランタン・グレマレック(Valentin Glemarec )だ。二人はエコール・デュ・ルーヴルを卒業し、元エリート(Elite)所属のモデルである弟は服飾学校アトリエ・シャルドン・サヴァール(Ateliers Chardon Savard)へ、兄はデザイン学校オリヴィエ・ド・セール(Olivier de Serre)で3Dとマルチメディアを専攻した。

ブルターニュ出身の曽祖父はテーラーで、大きなアーカイヴを有していたという。彼にインスパイアされて立ち上げたブランドには、正二十面体を意味する「Icosahedron」という単語から「イコサエ」という名前をつけた。2014年、共に設立した友人のアントニー・オール(Anthony Hor)は、今は別の道を歩んでいる。
「先シーズンから、コミュニケーションに、小売、生産など、チームを全て入れ替えた。特にフランスとベルギーにある新しいアトリエは、普段『サンローラン(Saint Laurent)』や『ジバンシィ(Givenchy)』といった大手メゾンと取引があるが、そうしたところでの生産に注力している」とヴァランタン。

こうして仕上がった上質なアイテムの中には、脱構築的なテーラードストリートウェアに、ウール、シルクサテン、カシミヤを用いたり、刺繍や金属ディテールをあしらったりしたものも。
「イコサエ」は現在、香港の「ハーヴェイ・ニコルズ(Harvey Nichols)」やニューヨークの「ODD」などの百貨店やセレクトショップ10店舗ほどで販売されている。
不許複製・禁無断転載
© 2023 FashionNetwork.com