AFP
2016/01/25
パリ・メンズファッションウィーク:XLのビッグシルエットが主力トレンドに
AFP
2016/01/25
ルーズなオーバーサイズのコート、バギーパンツにブードゥーチャーム……。24日に幕を閉じたパリのメンズファッションウィークでは、16-17年秋冬シーズンに向けて芽生えつつある主要なトレンドを見てとることができた。

「ディオール(Dior)」、「ジバンシィ(Givenchy)」から、「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」や「リンシュウ(Rynshu)」に至るまで、ベルベット、レザー、ウールといった素材が多く用いられ、特に今シーズンのキーとなる要素、赤いチェックなどのモチーフと組み合わせたスタイルが目立った。
しかし何と言っても、16-17年秋冬を象徴するトレンドは、ビッグ&バギーシルエットだろう。特にオーバーサイズのビッグシルエットコートは、ランウェイを席巻した。
「ラフ・シモンズ(Raf Simons)」は、特大ダウンジャケットでハイパーオーバーサイズのシルエットを作り、「オフホワイト(Off-White)」はオーバーレングスコートでスリープスーツ風ルックを提案。また、「リック・オウエンス(Rick Owens)」のコレクションには、実際に寝袋を纏ったようなコートも登場した。コンフォートな隠れ家を必要とする現代の男性像が、大きなテーマとして浮かび上がる。
指先まで届きそうな長い袖とシルキーな紫の生地は、「ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)」で頻出した要素だ。コートには、ピーコックや蛇といったモチーフもあしらわれた。
また、ピンクが復権しつつある。現代のガーリーなイメージが付与される以前、19世紀には、ピンクは最も男性的な色だと考えられていた。
「ジバンシィ(Givenchy)」のジャケットの襟元や、「ジュリアン・ダヴィッド(Julien David)」のコートのほか、「ピガール(Pigalle)」では様々なアイテムに、ピンクが見られた。
「エルメス(Hermès)」ではラズベリーのような濃いピンクが登場し、「オフィシン ジェネラル(Officine Generale)」はブラックやグレーといったダークカラーの後ろにアクセントとしてピンクを使用していた。
長らく姿を見なかったランバージャケットも、「ヴァレンティノ(Valentino)」や「ディオール(Dior)」などが提案し、復活の兆しを見せている。
オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)手掛ける「バルマン(Balmain)」に代表されるような、18~19世紀風ミリタリーのカムバックも見逃せない。『戦争と平和』 や『赤と黒』から飛び出してきたようなルックは、「バルマン」のランウェイを席巻。
「アニエスべー(Agnes B)」はよりエレガントに昇華した、18世紀のブルジョワジェントルマン風の装いに。ブルーやパープルのベルベット使いに、トリコルヌ(三角帽)をプラスしたスタイルが見られた。
しかし、やはり何といっても今シーズンのトレンドのトップは、バギーパンツだ。アルベール・エルバス(Alber Elbaz)騒動に揺れる「ランバン(Lanvin)」でメンズを担当し続けているルカ・オッセンドライバー(Lucas Ossendrijver)も、ルーズなビッグサイズコートにバギーパンツをスタイリングしていた。
エルバスからも「ショーの成功を願う」とエールを送られていたオッセンドライバー。パリ郊外の大きな倉庫を会場にして、客席に近いところランウェイを設置した。
「観客が服に触れそうな距離にしたかった」とAFPに明かす。「ソフトでセンシュアルな部分のあるコレクションだ」。
一方、「ポール・スミス(Paul Smith)」は持ち前のテーラースタイルを貫いた。60年代のムードも色濃いクロンビーコートや、モッズ風シングルストライプ、ディテールに小花柄をあしらったスーツなど、ブランドのアイコニックなデザインを再解釈したアイテムが多く見られた。
ビッグベンの鐘の音で始まったショーは、レゲエナンバー「My England Story」に始まり、イギリスのミュージカルの歴史を振り返るような選曲を経て、デヴィッド・ボウイの「Oh You Pretty Things」をバックに幕を閉じた。
「プレイフルで良いコレクションに仕上がったと思う。ちょっとハイになっていたね」とポール・スミスはAFPに語った。
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