2017/06/26
パリ ファッションウィーク:ワークウェアを再構築 「ホワイトマウンテニアリング」の "ブルー・ドゥ・トラバイユ"
2017/06/26
パリ メンズファッションウィーク中の6月24日、「ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)」が、18年春夏コレクションを発表した。フランス語で作業着を意味する「ブルー・ドゥ・トラバイユ(Bleu de Travail)」をキーワードに、ワークウェアのコードだけでなく、経年変化など「働くこと」そのものを、スタイリッシュで現代的なウェアに落とし込んだ。

ワークウェアの実用的な側面と、制服としての美的な魅力との両面性に着目したと話す相澤陽介。デニムやミリタリーコートなどにも色褪せたヴィンテージな質感を出し、着用による風合いの変化を表現する一方で、ややシャープなシルエット、あるいはパッチワーク風のテキスタイルの中にポケットやロゴを組み込んだデザインや、チャイナボタン使いのようなディテールを加えることで、洗練された現代性を取り込んでいた。
「ブルーカラー」が労働者を意味するように、今回のコレクションでは働く男を象徴する色である"ブルー"をキーカラーに据えている。デニムはもちろん、伝統的な「ブルー・ドゥ・トラバイユ」に用いられるネイビー、そして中でも日本古来の書道の筆を用いたアクションペインティングによる青を基調にしたモチーフが目を引いた。

こうして多角的に作業着の持つ「カッコよさ」を検証した相澤だが、リアルさを追求し、デニムではアメリカの老舗ブランド「ラングラー(Wrangler)」と初めて協業。伝統的で骨太なアメリカのワークウェアの存在感はそのままに、ジャケットのドロップショルダーシルエットや、 ポケットの「W」ステッチの片方を「M」にする遊びなど、スタイリッシュな形で再解釈したアイテムを提案した。
足元は「アディダスオリジナルス(Adidas Originals)」とのコラボレーションによるスニーカー、スポーツサンダルのほか、2シーズン目となる「ダナー(Danner)」のスエードブーツもオーセンティックなワークウェアルックを完成させていた。

最近では「ハンティング・ワールド(Hunting World)」のクリエーティブチームに加わったことでも話題となっている相澤。2つの異なった世界観について尋ねられると、「『ホワイトマウンテニアリング』では引き続きブランドらしい展開を続けていく」としつつ、「ハンティング・ワールド」に関しては、「バッグというのは、持つことによってスタイルが完成するもの。あまり過剰なことはせず、そこに何かを加えられるようなデザインを目指す」と話した。
現在、ヨーロッパでは主にミラノとパリで卸先を持つ「ホワイトマウンテニアリング」だが、今後はセレクトショップだけでなく、百貨店などにも展開を広げ、より上の世代の年齢層も取り込んでいきたい考えだという。
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