2017/03/02
パリ ファッションウィーク:デザインを"解体"してみせた「メゾン・マルジェラ」
2017/03/02
ジョン・ガリアーノ(John Galliano)が「メゾン・マルジェラ(Maison Margiela)」で手掛ける10回目のコレクションは、見事にファッションを"解体"してみせた。フロントロウには新旧のCEOの姿も。

英国的なエキセントリックさとフランス風のセンスが合わさったコレクションには、例えば精巧なカットワークからタータンチェックが覗くトレンチが登場。他にも、シルクのヌードカラーボディスをバーシティジャケットと組み合わせたアイテムや、ハウンドトゥースジャケットをレッドリザードサファリジャケットをドッキングさせたデザインなども目を引いた。
「マルジェラ」の定番である足袋ブーツのバックにもカットアウトを施したほか、リザードスキンブーツにはずらしたヒールが。手元にはレースアップトート、頭にはシュールなハットといった小物使いが光る。オーストリッチフェザーのトートを逆さまにして、ロンドン塔の衛兵隊"ビーフイーター"の帽子のように被るルックや、ムートンのロイヤルクラウン風ハットも。大胆なカッティングは、フランス語で甲殻類の皮を剥くという動詞、「デコルティケ(décortiquer)」を使って表現できるほど見事だ。

「ジョンは『マルジェラ』らしいやり方で、本当に新しいファッションを探求している。非常に誇らしく思うよ。一部の人たちのように、過去のマルジェラのアイディアを繰り返すだけじゃない」と話すのは、親会社OTBのレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)会長だ。「マルジェラ」出身のデムナ・ヴァザリア(alumnus Demna Gvasalia)が、コンセプチュアルなアプローチとボリューム感をなぞっていることを暗に批判しているようにも取れる。
2003年に「メゾン・マルジェラ」を買収したOTBグループ。ロッソ会長は、同ブランドが順調に成長していると話す。2016年の売上高は1億4500万ユーロ(約174億4000万円)だった。
「マルジェラ」のジョバンニ・プンジェッティ(Giovanni Pungetti)CEOは10日後に退任し、OTBグループのグレーターチャイナエリアのトップに就任する。

「本当に素晴らしい14年だった。5年をマルタンと、6年をインハウスチームと、そして3年をジョンと過ごしたんだ」とプンジェッティCEO。後任となるリッカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellini)新CEOの隣に並んでショーに出席した。
(2017年3月2日現在、1ユーロ=120円で換算)
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