2019/02/24
パリ ファッションウィーク、カール・ラガーフェルド追悼ムードでの開幕
2019/02/24
葬儀を望まなかったカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)だが、皆の心に巨匠は残り続ける。特に3月5日に予定されている「シャネル(Chanel)」のショーは、4大ファッションウィークを締めくくると共に大きな追悼のイベントとなるだろう。今回のコレクションは、カールが右腕ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)と手がけた最後の作品となる。ヴィアールは今後メゾンのクリエーションを引き継いでいく。

偉大なクチュリエが去った後も、パリには新たなブランドが現れ続ける。今シーズンは、「フェイスコネクション(Faith Connexion)」、「Karim Adduchi」、「Kimhehim」、「Kristina Fidelskava」、「Kwaidan Editions」、「マメ(Mame Kurogouchi)」、「Moohong」、「アンレーベル・プロジェクト(Unravel Project)」、「ウォークオブシェイム(Walk of Shame)」、「Cukovy」、「Masion Mai」、「マグダ・バトリム(Magda Butrym)」、「Savoar Fer」といったブランドのプレゼンテーションのほか、4組がランウェイショー形式にて公式スケジュールデビューを飾る。
韓国人のRok Hwangが手がける「ロク(Rokh)」は、2018年のLVMHプライズで審査員特別賞を受賞した注目の新進ブランドで、初日の2月25日に初のショーを行う。アメリカ・テキサスで育ち、イギリスのセントラル・セントマーチンズを卒業したHwangは、2015年にロンドンでウィメンズプレタポルテブランドをスタート。以前にはフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ(Céline)」のほか、「クロエ(Chloé)」、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」で様々なプロジェクトに参加したこともある。
翌日26日には、中国出身のDawei Sunによる「Dawei」がコレクションをキャットウォークで披露する。サンディカ・パリクチュール校出身で、2016年9月に自身のブランドをローンチ。プレイフルで都会的なスポーツウェアと、親しみ易いミニマリズム、そして少しロマンチックなタッチを加え、凝った作りながらカジュアルなウェアを提案している。2013年まではLing Liuと共に「キャシャレル(Cacharel)」でデザインを担当していた。

最終日「シャネル」のショーの後には、「シクラス(Cyclas)」と「Jarel Zhang」が控えている。「ザ・シークレットクロゼット(The Secretcloset)」の小野瀬慶子が2016年に立ち上げた「シクラス」は、同年1月にパリの展示会でデビュー。その後アメリカの高級百貨店「バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)」とニューヨークでの独占契約を結び、現在日本国外でも6カ国で販売されている。
Jarel Zhangは中国出身のデザイナーで、イギリスのロンドン芸術大学とノーザンブリア大学で学んだ後2015年に自身のブランドを立ち上げた。フューチャリスティックでイノベーティブなデザインを得意とし、ニューヨークやロンドンでコレクションを発表してきた。
一方、「ランバン(Lanvin)」、「ニナ・リッチ(Nina Ricci)」、「ラコステ(Lacoste)」といった3ブランドは新デザイナーを迎えてカムバックを果たすことで注目を集めている。中国企業の復星国際に買収された「ランバン(Lanvin)」では、「ロエベ(Loewe)」や「バレンシアガ(Balenciaga)」、「パコ・ラバンヌ(Paco Rabanne)」で経験を積んだベテランのブルーノ・シアレッリ(Bruno Sialelli)がデビューを果たす。
また、ギヨーム・アンリ(Guillaume Henry)退任後の「ニナ・リッチ(Nina Ricci)」は若いデザイナーを起用。ラシュミー・ボッター(Rushemy Botter)とリジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh)のデュオは、2018年のイエール国際モードフェスティバルの優勝者で、LVMHプライズのファイナリストでもある。イエールでは、解体し再構築した衣服を通じて、革新的でありながら問題提起するようなコレクションを発表した。

「ラコステ」ではフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ(Felipe Oliveira Baptista)の後任として、「ジョゼフ(Joseph)」出身のルイーズ・トロッター(Louise Trotter)が初のコレクションを披露する。
他にも、先シーズン欠席していた「ケンゾー(Kenzo)」は"see now, buy now"形式の「メメント(Memento)」ライン立ち上げに伴いパリにカムバックを果たす。発表されたコレクションはその後すぐに一般販売を開始する予定だ。
もちろん「ディオール(Dior)」、「サンローラン(Saint Laurent)」、「クロエ(Chloé)」、「セリーヌ(Celine)」、「エルメス(Hermès)」、「バレンシアガ(Balenciaga)」、「ジバンシィ(Givenchy)」といったフランスの老舗から、「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」、「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」、「イッセイミヤケ(Issey Miyake)」、「ミュウミュウ(Miu Miu)」、「ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)」、「トム・ブラウン(Thom Browne)」といった常連の外国勢も参加。そして3月2日には「トミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)」が特別にパリでショーを行い、ゼンデイヤとのコラボレーションを披露する。
「ポール&ジョー(Paul & Joe)」のように公式スケジュール外でランウェイを行うブランドやロンドンに会場を移した「A.W.A.K.E.」のようなブランドもいるが、デザイナーのイーキン・イン(Yiquing Yin)退任でメゾン再編を目指す「ポワレ(Poiret)」をはじめ、「Esteban Cortazar」、「Valentin Yudashkin」、「ジョン・ガリアーノ(John Galliano)」などはショー自体をスキップする。さらに、先シーズン大きなショーを行った「ソニア・リキエル(Sonia Rykiel)」は、今回より小規模なプレゼンテーション形式に切り替えるという。
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