2017/03/02
パリ ファッションウィーク:「クロエ」、クレア・ワイト・ケラー最後のコレクション
2017/03/02
「『クロエ』の女性像は、いつも"女の子"なの。"女の人"ではなくてね。自信に溢れていて、すごくフェミニンな女の子。我ながら、彼女を上手く表現できていたと思うわ」とバックステージで話してくれたクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)。「クロエ(Chloé)」で手掛ける最後のショーを終え、メゾンで過ごした時間を振り返っての言葉だ。

夜空のプリントが躍るカクテルドレスや、ギピュール・レースを使ったミニドレスなど、ワイト・ケラーが"サイケデリック・オプティミズム"と呼ぶ陽気なスタイルが印象的なコレクションだった。スエードとレザーを組み合わせたパッチワークのセクシーなジョギングなどは、米国70年代自己中心主義の時代を思い起こさせる。ブルーとホワイトのトラックパンツには、ムートンのボンバージャケットをスタイリング。少し「マリー・クワント(Mary Quant)」を思い出させるような、非常にブリティッシュなコレクションに仕上がっていた。
クレア・ワイト・ケラーは2011年に「クロエ」に参画し、メゾンに大きな成功をもたらした。
「フランスのメゾンに英国的なタッチを持ち込んだ、ということで記憶に残りたかった。フランスのブランドを手掛けるイギリス人デザイナーは珍しくないけれど、私の育ってきた文化的な影響を持ち込みたかったの。例えば、今回だとトラックパンツにランバージャックシャツ、それにミュージカルの影響もね。イギリスではミュージカルは大事よ。自分自身が『クロエ』のコードの一部になりたかった」とワイト・ケラーは続ける。

ジョフロワ・ドゥ・ラ・ブルドネ(Geoffroy de la Bourdonnaye)CEOによると、クレア・ワイト・ケラーの後継者はファッションウィークの後に発表される予定だという。とはいえ、長らく噂になっているように、後任はナターシャ・ラムゼイ=リーヴァイ(Natacha Ramsay-Levi)である線が濃厚だ。リーヴァイは、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」でデザインディレクターを務めていたことでも知られる。カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)と、「クロエ」は前途有望な若手を採用し、後のスターデザイナーを輩出してきた。
次は「バーバリー(Burberry)」か、との噂も流れるワイト・ケラーだが、今後の予定について尋ねると、「明日はオフなの。(ロンドンの)"ワールズエンド"に帰る予定よ」とだけ返した。
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