2018/03/07
パリ ファッションウィーク:「ルイ・ヴィトン」が描く "フランス女"
2018/03/07
やりすぎず、肩の力の抜けたエレガンスを纏い、自分に自信を持った女性。「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」がルーヴルで披露したのは、過去の煌めきと現代性を繊細に掛け合わせたコレクションだった。 二コラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)は、"今 "を生きるフランス人女性を活き活きと表現してみせた。

フランス上流階級風、BCBGなジャケットは、長いフリンジのついた大胆なレザートップスでモダンに昇華。金ボタンのビスチェ風ジレにはクライミングストラップをあしらい、シンプルなニットドレスやスカート、パンツと合わせた。また、ブラウスやミニマルなドレスの肩から袖にかけては3段のラッフルをバンドのように使って、グラフィックな効果を演出した。
ツイード、格子柄、グレンチェックと様々に展開したクラシックなスカートは、ゴールドチェーンでウェストマークした古き良きブルジョワを思わせるスタイルだが、そこにスポーティーなスウェット風グラフィックブラウスを合わせることでブラッシュアップされていた。さらに、マリンジャケットを白いラペルで仕上げたり、あるいはレザーブルゾンやシアリングのコートを合わせたスタイリングでは、グッドガールなルックに外しを加えた。
過剰にならず素晴らしく計算されたコレクションは、女性にユニークな魅力を与えるものだ。シックでありながら反骨的、チャーミングでカジュアル、それでいてナチュラルな高級感が漂う。片方だけにロンググローブを纏いそこへバッグを抱える着こなしは、非常にフランス的だった。

「現在進行形の未来の世界と、過去の名残。この狭間に惹かれるんだ。僕の考える理想の女性というのは、自分たちの時代を生きていて、自由に選択する人。家族とか知り合いとか、僕が小さい頃に出会った女性たちにインスパイアされたコレクションになった。僕が大きくなるのを見守って、自分の美学を確立するのに手を貸してくれたからね」と二コラ・ジェスキエールはバックステージで語った。
「フランス人女性のエッセンスというのが、このコレクションの伝えるもの。自分の力を示すために男性の格好をする必要なんかないけれど、すごくフェミニンでありながらどこかタフ。今の時代に僕が見せたいのはそういう女性像なんだ」。
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