AFP-Relaxnews
2016/06/23
パリ メンズコレクション、クチュールの精神を汲んだ「バレンシアガ」初ランウェイ
AFP-Relaxnews
2016/06/23
先日始まったパリ メンズファッションウィークで、「バレンシアガ(Balenciaga)」が初メンズのランウィショーを行い、メゾンらしいクチュール精神を取り入れたコレクションを披露した。

「バレンシアガ」17年春夏メンズコレクションでは、オーバーサイズとフィットという2つのシルエットを提案、1917年にメゾンを立ち上げた「クチュリエの中のクチュリエ」、クリストバル・バレンシアガへのオマージュとなった。
グルジア出身の35歳、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)が作り上げたのは、クラシックなカッティングのスーツや、ビッグシルエットのパンツ、ウェッジヒールのシューズに身を包んだルックだ。
「クリストバル・バレンシアガはテイラードの名人だった。アーカイブにも、最初のメンズウェアのクロッキーが残っているが、顧客だけでなく、自分のための服もデザインしていた」とメゾン。「デムナ・ヴァザリアの手掛ける今日のシルエットは、オートクチュールと並び称されるものだ」。
「バレンシアガ」のオーダーメイドでの経験が反映された今回のコレクションには、ストレートなカットのコートに、ボンバージャケット、クロップドブルゾンに、半袖のシャツやフィットしたTシャツなどが入り混じった。
イヴニンワードローブには、バチカンにも提供している業者のシルクを使用した。会場も、パリにあるイエズス会系の学校を選び、肩から枢機卿のようにストールを羽織るスタイルも登場。宗教的な雰囲気を盛り上げていた。
「ファセッタズム」のジャパニーズストリートスタイル
ヴィンテージ感のあるノースリーブジャケット、アシンメトリーネックのオーバーサイズTシャツ、脱構築的なシルエットのトレンチに、作業服風ジレ、エクストララージパンツ、レイヤードなど、落合宏理の手掛ける「ファセッタズム(Facetasm)」は東京らしいストリートスタイルを見せた。

大胆かつフレッシュな感性でベーシックなアイテムのプロポーションで遊んだコレクションでは、レースアップパンツの裾など、クチュールにも通じる仕上げが目を引いた。ショーの会場は、バスティーユの近くにある古いアトリエだ。
「僕の住んでいる東京では、オートクチュールとプレタポルテの違いなんてない。ルールを守りながら、この二つを自由に行き来できる」とバックステージで語った。
「ワイ・プロジェクト」のユニセックスな洗練
フランス発「ワイ・プロジェクト(Y/Project)」を手掛けるベルギー出身のデザイナー、グレン・マルタン(Glenn Martens)は、ユニセックスなファッションに着目、洗練されたエレガンスとアーバンストリートスタイルを絶妙にミックスしてみせた。

ジョグパンツをピンクのサテンシャツと合わせたスタイルや、ルーズフィットのコットンニット、ユニークなコートなど、大胆かつ気まぐれなワードローブを提案する。
「ヴァレンティノ」、未完成の妙
「ヴァレンティノ(Valentino)」のコレクションはは、シャツやジャケット、センタープレスのパンツなどベーシックなアイテムを中心に、クラシックながら機能的なスタイルだ。

マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)とピエルパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)のデュオは、"未完成"をテーマにしたNYのメトロポリタン美術館の展覧会「Unfinished : Thoughts Left Visible」にインスポレーションを得たという。「この作品はすっかり完成している、なんて言える人がいるだろうか?」とデザイナー。
縫い付けないままの裏地がレイヤードのような効果を与えるアイテムや、しつけしたきりのような大きな縫い目なども目を引いた。

カーキやカモフラージュ柄を用い、ベルトでウエストマークしたロングコート、パーカ、トレンチなど、ミリタリー色の強いルックも登場。ブルゾンにはアニマル柄も見られた。
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