2017/07/03
パリ オートクチュール:「ピーター・デュンダス」から「エルメス」まで プレコレクションとリゾートのショーも
2017/07/03
パリ オートクチュールファッションウィークの1日目。「エルメス(Hermès)」から「ピーター・デュンダス(Peter Dunda)」は、レディ・トゥ・ウェア(既製服)のショーを披露した。
「ピーター・デュンダス」は、独立して自身のメゾンを立ち上げてから初のショーとなるが、リゾートコレクションを披露する会場に選んだのはパリ1区のパサージュに隠された18世紀の邸宅だった。

デュンダスは、エネルギーに溢れたグラマーなクリエーションで知られるベテランだ。「エミリオ・プッチ(Emilio Pucci)」をレッドカーペットのスターにしたほか、「エマニュエル・ウンガロ(Emanuel Ungaro)」と「ロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)」でのキャリアでも評価されている。
2017年秋冬コレクションは、そんな彼自身のスタイルに忠実なものとなった。肌を大胆に見せるアールデコスタイルのメッシュカラムドレス、サファイアブルーのスパンコールジャンプスーツ、そしてビビッドピンクのスパンコールウェットには鳥と「STARSHIP SOUL」の文字をあしらった。トランスパレントな要素も多く見られ、ニューヨークの伝説的なディスコ「Studio 54」を思わせるようなコレクションだったが、既存のデュンダスのクリエーションに収まってしまっているところは少し残念ではあった。

「エルメス」は、比較的チャーミングで甘いウェアを提案している。しかし、ムードやセッティングがやや一貫性を欠いているようにも感じられた。「エルメス」旗艦店の上階に設けられたランウェイはZ字を描く砂利道だったが、ショーが終わった後にはまるでペットの猫用の砂のような有様で、あまり「エルメス」に相応しいとは思われなかった。

洋服に関しては、エレガントなトップスやソフトなプリントシルクのカクテルドレス、シャーベットカラーのカシミヤタウンコートに、ブルーのアリゲーターシースドレスなど、非常によくできたコレクションだった。しかし、クリーンで商業的なウェアには強い主張がなく、クチュール期間中のショーとして妥当かというと、やや疑問が残る。
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