2020/03/02
パリFW:「ジバンシィ」のヌーベルバーグ
2020/03/02
「ジバンシィ(Givenchy)」の最新コレクションは、フランスの「ヌーベルバーグ」映画を現代に蘇らせたものだった。

ヌーベルバーグ時代のフェミニストアーティストに着想を得たコレクションは、ロンシャン競馬場を舞台に披露された。特にヘレナ・アルメイダ(Helena Almeida)の作品にインスパイアされたという。
アルメイダに関しては、パリのジュ・ド・ポーム国立美術館で「My Work is My Body, My Body is My Work」と題された回顧展も昨年開催されている。彼女は20第後半をヌーベルバーグの動きの中で過ごした。そして今回発表された服の中にも、人間の体のフォルムといったものが大きく反映されている。
巨大なシルエットは、カーヴィーなショルダーラインと長く伸びたサイドが印象的だ。クリエイティブディレクターのクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)は、真っ赤なダブルフェースカシミヤでコートを仕立てたほか、ライトグレーのフルレングスドレスとグリーンのグローブを合わせたルックも印象的だった。レッドとブラックのアーティなクラウン風プレイスーツには、レッドとホワイト、ブラックのシルクスカーフトートをスタイリング。こうした"アッサンブラージュ"デザインも程よいパンチを添えていた。
特にイブニングスタイルが素晴らしく、クラッシィなドレスを作らせると本当に上手い。しかし、デイタイムに向けた提案は少し弱いようにも思われた。オフィスやリラックスタイムには、少しドレスアップし過ぎている感がある。

会場には100メートルはあろうかという長いキャットウォークがメタリックの壁と共に設置され、パドックはバーに変身。ショーの前にはカクテルが振舞われた。しかし、スポットライトが敷き詰められたランウェイの照明は写真を撮るには非常に難しいもので、インスタグラム全盛の時代にはあまり感心できないセットだ。
ワイト・ケラーは偉大なイメージメーカーでもある。フィナーレにには直径1メートルほどもある大きなハットが登場し、ドラマティックな最後を演出していた。
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