掲載日
2020/02/25
2020/02/25
パリFW:「マリーン・セル」、異星のビジョン
掲載日
2020/02/25
2020/02/25
ファッションにおけるフューチャリズムというのは、しばしば「ピエール・カルダン(Pierre Cardin)」や「クレージュ(Courrèges)」といったメゾンの影響から逃れられないものであるが、「マリーン・セル(Marine Serre)」は今のところ、それをクールに昇華できる唯一のデザイナーだろう。異星のビジョンとスタイルを見事に表現してみせた。

宇宙の旅に出た人々が「未来のワームホール」に落ちたというダークで美しいコンセプトのもと、見慣れたものとファンタジーが奇妙に混ざり合った。多くのモデルがサージカルマスクを着けていたが、中でもハウンドトゥース柄のドレスはひと際目を引いた。
フューシャピンクのニットドレス、コットンジャラバ、エコファーのコートなど、よくある素材で革新的なスタイルを作り出している。
会場となった19区のカルチャーセンター「Cent Quatre」にはインダストリアルなサウンドトラックが流れ、ミラーが設置されていた。ダークではあるがディストピアンな雰囲気はない。
キャスティングもベテランモデルからキッズまで幅広く登場した。今回もキャラクター性豊かなルックが揃い、プリントは「マリーン・セル」を代表する三日月モチーフだ。
「Mind, Melange , Motor」と題されたコレクションは、奇妙で奇抜だが、同時に美しいファッションの表現となっていた。そしてパリがファッションの中心たる所以を思い出させてくれた。
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