2017/11/15
「ロシャス」、メンズウェアもオンワードがライセンス展開へ
2017/11/15
仏インターパルファン(Interparfums)社のファッション事業参入は、短い期間で終わりを迎えたようだ。同社は、「ロシャス(Rochas)」メンズウェアラインの自社企画・生産を終了する意向を示している。
昨年1月にスタートした「ロシャス オム(Rochas Homme)」だが、2019年からはオンワードラグジュアリーグループ(Onward Luxury Group)によるライセンス生産に切り替わる予定だ。オンワードラグジュアリーは、すでに「ロシャス」のウィメンズウェアのライセンス事業を手掛けている。ローンチにあたって起用されたアーティスティックディレクターのベアトリス・フェラン(Béatrice Ferrant)は退任し、2018年第1四半期中に後継デザイナーが決定する。インターパルファン社は、自社の中核である香水事業に集中したい考えだ。
「ロシャス」は1925年にマルセル・ロシャス(Marcel Rochas)が立ち上げたが、2015年にインターパルファン社が買収。当時すでにオンワードグループの子会社であるオンワードラグジュアリーが、ウィメンズウェアのライセンス事業を運営していた。ウィメンズウェアのデザインは、アレッサンドロ・デラクア(Alessandro Dell’Acqua)が手掛けている。一方メンズウェアに関しては、南米におけるライセンス事業のみの取扱いとなっていた。
そして2016年、インターパルファンはベアトリス・フェランを抜擢し、メンズウェアの世界展開を開始する。デザインスタジオと営業、合わせて十数名の社内チームを設置し、200万ユーロ(約2億6700万円)相当を投資した。
初の17-18年秋冬コレクションでは都会的で高級感のあるワードローブを披露し、メディアから高い評価を受けた。また、ハイエンドなマルチブランドショップ15店舗ほどからも発注があったという。6月にはパリのサントノレ通りにポップアップショップを開くなどしたものの、インターパルファンは投資継続を断念し、18年春夏のコレクションも取り止めた。
「ファッションは非常に厳しい市場だ。香水市場とは全く異なり、特に小売は難しい。小さな企画に対しても多大な努力と資金が必要となるが、複数のブランドを展開していない限り収益性は低い」とインターパルファン社の広報は当紙に話した。
「コレクションや今までの仕事には満足しているが、我が社の専門分野に再び集中するためにも、方針の変更を決定した。しかし、今回のプロジェクトで『ロシャス』の男性像というものを提案することができたし、今後はオンワードによる展開にうまく繋がっていくだろう」としている。
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