2017/02/07
「ジョン・ガリアーノ」、戦略の見直しを図る 生産と販売を内部化
2017/02/07
ブランドとして再出発してから2年が経つ「ジョン・ガリアーノ(John Galliano)」が、現在商業戦略の強化を図っている。長く内部では空席だったセールスマネージャー職に、セバスチャン・ルボー(Sébastien Roubaud)氏を起用したとの発表があった。

創始者であるガリアーノの右腕であったビル・ゲイテン(Bill Gaytten)がデザインするコレクションは、今までイタリアのモンダリス(Modalis)グループがライセンス契約を通じて生産・販売を担ってきた。しかし、この度メゾンはこの関係に終止符を打ったという。
「製品の管理を強化したいと考えている。そこで、販売に関してはゼロから始めるつもりで、社内で扱うことに決めた。生産はイタリア国内の提携工場で行うほか、『ディオール(Dior)』の使っているパリのアトリエも利用する」とセバスチャン・ルボー氏は当紙に語る。
ルボー氏は、「ディオール オム(Dior Homme)」、「エルメス(Hermès)」といったラグジュアリーの世界において、マーケティング・セールスといった分野で10年以上の経験を持つ人物だ。2008年には、フランス国内で初となるメンズ向けデザイナーズブランドEC「StudioHomme.com」を立ち上げ、12年にはネッタポルテ(Net-à-Porter)グループに売却している。また、最近では日本のブランド「カラー(Kolor)」のセールスマネージャーも務めた。
「よりクチュール的な価値観に立ち返りたい。パリシックと英国流反骨精神を併せ持ったスタイルが我々のメゾンの精神であり、そうしたラグジュアリーブランドとしての立ち位置に見合ったものに。オートクチュールをもう一度というわけではないが、非常に洗練されたアイテムを投入したいと考えている。そうすることで、プレミアムコンテンポラリーという位置づけの商品構成を補完できる」と続ける同氏。

ここ数年で、「ジョン・ガリアーノ」はファッションの表舞台に舞い戻りつつある。フランク・デュラン(Frank Durand)が新しいビジュアルアイデンティティを手掛け、広告キャンペーンにはクリスティ・ターリントン(Christy Turlington)、エディ・キャンベル(Eddie Campbell)、アンバー・ヴァレッタ(Amber Valetta)を起用、撮影はイネス&ヴィノー(Ines & Vinoodh)が行った。しかし中でも、ランウェイへのカムバックの影響は大きい。
また、パリ・サントノレ通りにある本店も新装開店したほか、マレ地区にもパリ2店舗目を出店するなど販売網も拡大している「ジョン・ガリアーノ」。かつての輝きを取り戻し始めている。
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