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「セリーヌ」がレザーグッズを強化 イタリアに新工場開設

掲載日
today 2019/10/21
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 「セリーヌ(Celine)」がイタリア・トスカーナ地方に新たな工房を開設し、レザーグッズを強化している。レザーグッズはブランドの売上の半分以上を占めるカテゴリだ。フィレンツェから40キロほど南にあるラッダ・イン・キアンティに作った最新式の工場は、イタリア国内にすでに30近い生産拠点を抱える親会社LVMHグループにとっても、重要なステップとなっている。

「セリーヌ」新工場「La Manufacture」 - ph Thomas Dell'Agnello


 新設工場「La Manufacture」の開業記念式典には、グループのトニ・ベッローニ(Toni Belloni)マネージングディレクターとLVMHファッショングループ(LVMH Fashion Group)のシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)CEOが、地元の議員やセヴリーヌ・メルル(Séverine Merle)「セリーヌ」CEOと共に出席した。工場はラッダの丘全体に広がり、9000平米の敷地面積を誇る。「プッチ(Pucci)」のヴァイスプレジデント、ラウドミア・プッチ(Laudomia Pucci)の姿もあった。
 
 ラッダ・イン・キアンティは、丘陵が続きブドウ畑が広がる牧歌的な風景の広がる地方だ。「La Manufacture」は20年近く放置されていた工場跡に建設され、建物自体の広さは5200平米。そこに4000平米の駐車場を併設している。

 ガラス張りの壁からは自然光を取り入れ、木製の屋根にはソーラーパネルが取り付けられているほか、雨水の収集システムも備えている。ファビオ・ベルルッツィ(Fabio Berluzzi)は環境に配慮した設計を叶えた。
 
 バッグを縫製する中央のプラットフォームはオープンスペースになっていて、窓はキアンティのブドウ畑に臨む。
 
 このセクションで作業する129人のうち、117人は革職人だ。今後2021年までにその数を2倍に増やす予定だという。6月から稼働している同工場では、15ほどのバッグとレザーグッズのラインが生産されており、「Trio」や「Triomphe」、「16」といったモデルも含まれる。

「16」も新工場で生産 - ph Dominique Muret


 「それなりの額の投資です」と明かしたセヴリーヌ・メルルCEOだが、詳細については伏せた。情報筋の話では、投資額は2000万ユーロ(約24億2000万円)に上ると見られており、うち半分が建物の建設費用だという。プロジェクトはエディ・スリマン(Hedi Slimane)が就任する3年前、2015年からすでに始動していた。
 
 「『セリーヌ』というブランドのユニークな強みは、エディ・スリマンのクリエイティブなビジョンとクラフトマンシップとの両立にあります。ファッションとレザーグッズとのバランスが取れていますね。そういう点では、他に類を見ないブランドです」とCEOは話す。メゾンのレザーグッズは常にトスカーナ地方で生産されてきた。
 
 近郊にはすでにもう一つ「セリーヌ」のアトリエがある。ストラーダ・イン・キアンティにあるこちらの工場では、プロトタイプ作りとレザーグッズの生産・回収を行っている。「創業者であるセリーヌ・ヴィピアナ(Céline Vipiana)は、60年代からトスカーナを訪問して職人を探していました。特にレザーの技術は抜きんでている。それに他のパートナーとの兼ね合いという点でも優れており、中心的な生産拠点と位置づけました」とシドニー・トレダノ。
 
 「ストラーダの工場で1979年から生産を始めましたが、94年には優先順位の高いブランドとなりました。現在そちらでは300人が勤務しており、養成講座も受け入れています」と補足したのは「セリーヌ」のジャン=マリー・ティゾン(Jean-Marie Tizon)イタリア生産マネージャーだ。
 
 新たな工房にはベテランの職人と若手が共に作業するほか、ストラーダの工場で社内の養成講座や臨時アトリエの訓練を受けた地元の労働者たちもレザーグッズ生産に従事することになる。こうして「セリーヌ」は技術の継承も行っている。

「La Manufacture」外観 - ph Thomas Dell'Agnello


 「ラッダとストラーダの両工場で、素材のリサーチと企画、商品企画、素材の買付から品質管理、縫製まで、一連の生産サイクル全体を担う」とブランド側は説明している。
現在LVMHグループはイタリアで1万1000人の従業員を抱えており、この5、6年間で数は倍増したという。「La Manufacture」を含めると、グループは同国内で30の工場を運営していることになるが、所在地は特にトスカーナ地方に集中している。
 
 例えば、インチーザ・イン・ヴァルダルノの工場は中核ブランド「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のバッグを生産するほか、同地域には「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」、「ジバンシィ(Givenchy)」、「ロロ・ピアーナ(Loro Piana)」の工房も存在する。他にも、「ブルガリ(Bulgari)」や「フェンディ(Fendi)」の小物を扱う工場が来年開業予定だ。
 

(2019年10月21日現在、1ユーロ=121円で換算)
 

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