「トム フォード（TOM FORD）」が、デザイナーのトム・フォード（Tom Ford）がフルデザインを手掛ける最後のコレクションを発表した。アーカイヴに目を向け、アイコニックなシグネチャールックを限定復刻した。

　パーソンズ出身のトムはこれまで「Gucci（グッチ）」や「Yves Saint Laurent（イヴ・サンローラン）」のクリエイティブディレクションを手掛け、ブランドの発展とイメージアップに大きく貢献。アメリカファッション協議会（CFDA）の「メンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」（2008年）など多くの賞を受賞し、2022年までCFDAの会長を務めていた。2009年には映画「シングルマン」で映画監督デビュー。長編2作目となった「ノクターナル・アニマルズ」（2016年）はヴェネツィア国際映画祭の銀獅子賞（審査員大賞）を受賞するなど高い評価を得ている。

　自らの名を冠したブランド「トム フォード」は2011年よりスタート。ファーストコレクションのプレゼンテーションにはビヨンセ（Beyoncé）や菊地凛子など、豪華な顔ぶれが登場し話題を呼んだ。昨年11月には「エスティ ローダー カンパニーズ（ESTEE LAUDER COMPANIES）」が、「トム フォード」とその知的財産を買収することに合意。創業者であるトムは2023年末までクリエイティブ ビジョナリーとしてブランドに携わる。

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　今回発表された2023年秋冬ウィメンズコレクションは、ラグジュアリーかつセクシーな「トム フォード ウーマン」へのオマージュとして、過去13年間のアーカイヴより彼のシグネチャールックを復刻。これらは今秋、直営店にて販売される。

　ラストコレクションの映像はスティーブン・クライン（Steven Klein）が撮影。90年代に「ツイッギーの再来」とも呼ばれたアンバー・ヴァレッタ（Amber Valletta） をはじめ、ジョーン・スモールズ（Joan Smalls）、カーリー・クロス（Karlie Kloss）、カレン・エルソン（Karen Elson）、キャロライン・トレンティーニ（Caroline Trentini）らが登場する。最後には、フリンジドレスやメタリックドレスなどをまとったモデルたちがショーウィンドーの中でポーズを決める中、トムが静かに去っていく後ろ姿が描かれた。今後のブランドの体制については後日発表が予定されている。

■トム フォード：公式サイト