「ルイ・ヴィトン」、中国本土での需要が急増

 LVMHグループの主力ブランド「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」が、ハンドバッグやその他商品の在庫を中国本土のEC向け物流拠点へ移動しているという。中国人消費者が国外よりも自国でブランド商品を購入するようになったことが関係している。

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Louis Vuitton - Cruise Collection2020 - Womenswear - New York

 中国の輸入関税引き下げにともない、高級ブランドの商品を旅行先ではなく中国国内で購入する消費者が増えてきた。
 
 この機会を上手く利用できないブランドも存在するが、「ルイ・ヴィトン」は中国向け自社ECにより、うまくその恩恵を受けることになったとアナリストは話す。
 
 「ルイ・ヴィトン」とLVMHグループはアナリスト向けの説明会を開いたが、その中でマイケル・バーク(Michael Burke)CEOは、中国本土における「ルイ・ヴィトン」商品への需要は「前例のない」高いレベルを保っていると話したという。
 
 「中国国内での消費は『ルイ・ヴィトン』の売上高の3分の1にとどまるが、それでも2倍の速度で増え続けており、そのうち半分を占めるようになる可能性もある」とCitiのアナリストFlavio Creda。
 
 この9ヶ月間のうちに、ブランドは近隣国から中国のEC向け物流拠点へと在庫を移しているとも同氏。中国本土における「ルイ・ヴィトン」の売上高の中で現在オンラインが占める割合は8%ほどだ。
 
 「ルイ・ヴィトン」は2017年中旬に中国でのEC展開を開始した。その直前には競合グループ、ケリング(Kering)が参入したほか、プラダ(Prada)、エルメス(Hermès)なども同国でのオンライン事業に乗り出している。
 
 アメリカのジュエラー「ティファニー(Tiffany)」はアメリカを訪れる中国人観光客の消費が落ち込んだことで打撃を受けているが、やはり中国へのEC参入に投資すると明らかにしたばかりだ。
 
 米中間の貿易戦争は両国のラグジュアリー市場にも影を落としている。
 
 しかし、「ルイ・ヴィトン」は米国事業に関して楽観的な見方を示しており、テキサスに米国3ヵ所目のハンドバッグ生産工場を開設する予定もアナリストたちに明かした。
 
 「『ルイ・ヴィトン』のアジア・米国事業が"健全な"傾向を示していることは、投資家連中を安心させるだろう」と話すのは、RBC Capital MarketsのアナリストRogerio Fujimoriだ。
 
 6月6日の取引終了時点でLVMHの株価に変化は見られなかったが、同日中には2%上昇し一時最高値357.10ユーロ(約4万4000円)をつけた。
 
 「ルイ・ヴィトン」の年間売上高は105億ユーロ(約1兆2800億円)相当で、今後ウォッチ・ジュエリー部門の収益に関して年間10億ユーロ(約1223億4300万円)を目指している、ともFujimori氏。
 
 昨年6月に初めて決算を公開したことで身売りの噂も出ていた「シャネル(Chanel)」だが、LVMHによるメゾン買収の可能性について問われると、ジャン=ジャック・ギオニー(Jean-Jacques Guiony)最高財務責任者は、どんな買い手にとっても簡単に提案できる規模ではないと答えた
 
 また、複数のメディアが500億ユーロ(約6兆1200億円)程度だと報道しているシャネル社の価値だが、実際は1000億ユーロ(約12兆2300億円)近いという見解も同氏は示しているという。
 
 「シャネル」は現在のところ、本件に対する取材には応じていない。
 

(2019年6月7日現在、1ユーロ=122円で換算)
 

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