fashionsnap
2023/03/09
「東京ミッドタウン八重洲」六本木や日比谷と何が違う? 商業ゾーン開発担当者に聞く
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2023/03/09
3月10日に「東京ミッドタウン八重洲」の商業ゾーンがグランドオープンを迎える。「東京ミッドタウン」としては六本木、日比谷に次いで3軒目。六本木、日比谷との違いとは? 商業ゾーンを手掛けた三井不動産商業施設本部の安田嵩央氏に聞いた。

東京ミッドタウン八重洲は、東京駅前3地区で進んでいる再開発事業における大規模再開発プロジェクトの皮切りと位置付け、地下2階、地上45階構成、計約30万平方メートルの延床面積に商業ゾーンやオフィスのほか、一日の発着便数約600便、半年の利用者数約160万人の「バスターミナル東京八重洲」や、中央区立城東小学校、交流・創発の拠点「イノベーションフィールド」といった施設を展開。地上40階から45階には「ブルガリ ホテル 東京」が4月4日に開業を予定している。
施設コンセプトは「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド~日本の夢が集う街。世界の夢に育つ街~」。商業ゾーンは地下1階から地上3階まで、ファッションからライフスタイル、フードまで幅広く展開。ジャパンブランドを基軸しながら、オフィスワーカーや国内外の旅行客といった多種多様な来館者をカバーできるテナントを揃えたという。出店テナントは以下の通り。
東京ミッドタウン八重洲は施設内にバスターミナルを備えるほか、立地としても「他のミッドタウンとは違う人流がある」(安田氏)とし、1、2階でそれぞれターゲット設定を変えているという。テナント選定の際に参考にしたのは、六本木と日比谷のそれぞれの「東京ミッドタウン」の開発で得た叡智だ。
東京ミッドタウン八重洲のブランディングの要とも言える地上1階は「ジャパンラグジュアリー」をテーマに掲げ、「シーエフシーエル(CFCL)」や西陣織の細尾が東京に初出店する「HOSOO TOKYO」といった上質なブランドを誘致。ここでは東京ミッドタウン六本木での開発で培ったノウハウを生かしたという。「八重洲で商業施設を体験するというイメージがない中で、『八重洲エリアが変わる』ということに共感してくださったテナントにご出店いただいた。未来志向で時代を切り開いている先駆者に入っていただき、ミッドタウンらしい上質なテナントが揃った」(安田氏)。
オフィスフロアにもつながる2階では、シネコンや劇場、公園が並ぶ立地を有効活用し、商業施設としては珍しく幅広い年齢層を獲得できているという東京ミッドタウン日比谷で得た知見を反映した。その象徴が公共スペースの「ヤエスパブリック」。物販・休憩エリアや立ち飲みスポットなど長時間滞在を想定した構成で、オフィスワーカーや旅行客の憩いの場を目指す。
近年は各都市で商業施設開発が進むが、一方で「同じようなショップが並び、“金太郎飴”化している」と揶揄する声が聞こえる。東京ミッドタウン八重洲も商業ゾーンでは初出店6店舗、新業態9店舗、東京初出店11店舗、商業施設初出店21店舗と話題のショップが並ぶ一方で、一部のテナントは東京ミッドタウン日比谷を含む近隣の商業施設にも入居している。安田氏は「空間としての回遊性やブランドの並びなどではそういった声があるかもしれないが、効率的な配置などメリットもある」と前置きしつつ、東京ミッドタウン八重洲では「回遊しやすい設計は取り入れつつ、ジャパンブランドとしての魅力があるテナントを揃えた。ヤエスパブリックでは商業施設にはなかなか出店しないようなショップのポップアップを展開しているので、商業施設に対する固定概念を良い意味で裏切りたい」と開発にかける思いを語った。
商業ゾーンのテナントや構成については、東京ミッドタウン八重洲の他に東京駅東側エリアで進められている再開発事業とのバランスを加味しているとし、商業ゾーンの規模も「適正規模だと思っている」と総括する安田氏。八重洲はこれまで目的地の通過点でしかなかったが、「3つの大規模再開発プロジェクトが完遂し、日本橋エリアまで街歩きが楽しめるような人流を作っていきたい」と意欲を示した。
■東京ミッドタウン八重洲
所在地:東京都中央区八重洲2丁目地内
地下1階先行オープン:2022年9月17日(土)
グランドオープン:2023年3月10日(金)
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