2019/06/04
「マックスマーラ」、2020年クルーズコレクションをベルリンで発表
2019/06/04
「マックスマーラ(Max Mara)」は6月3日、ベルリンで2020年クルーズショーを開催。国内外からゲストが集った会場で、デヴィッド・ボウイとマレーネ・ディートリッヒにインスパイアされたコレクションが披露された。
舞台に選ばれたのは新博物館だ。ショーはベルリンの壁崩壊30周年を記念したものでもあるという。
フロントロウにはアンジェラ・バセット(Angela Bassett)のほか、キャロライン・ダウア(Caroline Daur)やヘレナ・ボードン(Helena Bordon)などインフルエンサーやブロガーが揃った。ドイツの伝説的な歌姫ウテ・レンパー(Ute Lemper)の姿もあった。
「マレーネ・ディートリッヒがデヴィッド・ボウイとベルリンで出会ったら、と考えた。実際に両者が顔を合わせたことはないけれど、似た人物だと思うんだ。それに、この博物館自体にもインスパイアされたね。ネオプリミティブなテーマを取り入れた」とクリエイティブディレクターのイアン・グリフィス(Ian Griffiths)。
シャープなテーラードジャケットとワイドパンツにはディートリッヒとボウイの影響が確かに感じられる。アイコニックなトレンチにもテーマに沿った味付けがなされていたほか、切りっぱなしの裾は博物館にあるテキスタイルの展示品を思い起こさせた。
博物館の建物ははベルリンの街や欧州文明の歴史を物語るもので、外の柱には銃弾や砲弾による跡も残されている。
滑らかなホワイトウールで仕立てられ、フラワーエンブロイダリーが肩にあしらわれた新作の"ベルリン・コート"は、マイセン磁器へのオマージュだ。
Reema Pachachiとのコラボレーションによるジュエリーでは先史時代の展示品の数々が着想元となり、ブレスレットやネックレス、イヤリングなどドラマティックなアイテムが披露された。
冷戦を経験したベルリンの街の歴史を考えれば、ミリタリーの要素が見られるのも納得だ。アイゼンハワージャケットや肩章をあしらったチョークストライプのトレンチ、プロイセン風のカシミヤのロングケープなど、見事にミリタリーを昇華したアイテムが目を引いた。
前日には、ウテ・レンパーによるマレーネ・ディートリッヒのトリビュートコンサート「Rendezvous with Marlene」も開かれた。
ディートリッヒとボウイが直接顔を合わせたことはないが、1978年の映画『Just a Gigolo』で共演している。第一次世界大戦後ベルリンに帰還した英雄がジゴロになるというストーリーだ。
ショーに出席したウテ・レンパーは、オールホワイトのスーツに身を包んでキャットウォークを歩き観客の拍手を一身に受けていた。サウンドはニューヨークのDJジョニー・ダイネル(Johnny Dynell)が手掛け、ボウイの代表曲が巧みにリミックスされた。
ショーの後のディナーが催された広間は、戦時中の爆撃により40年の間閉鎖されていた空間で、デヴィッド・チッパーフィールド(David Chipperfield)によって蘇ったものだ。「マックスマーラ」は 2005年、「Coats!」展をベルリンでスタートさせている。
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