2019/04/03
「ツモリチサト」、エイ・ネットによるブランド事業終了もその他ライセンスは継続か
2019/04/03
4月3日、イッセイミヤケ(Issey Miyake)グループ系列の株式会社エイ・ネット(A-net.Inc)が、「ツモリチサト」ブランド事業の運営を終了すると発表した。一方で、財布などの服飾雑貨、小物、下着、ラウンジウェアといった別の会社とのライセンス商品については、今後も継続して生産・販売される見込みだ。

文化服装学院出身のデザイナー、津森千里のキャリアは、1977年にイッセイミヤケインターナショナルに入社したことで本格的にスタートした。最初はアシスタントから始めた彼女は、やがて「イッセイスポーツ」のデザイナーに就任。1983年には同ラインに自身の名前を加えた「I.S. Chisato Tsumori Design」のチーフデザイナーとしてデビューを飾り、その2年後には第3回毎日デザイン大賞新人賞を受賞している。同ラインの業績は非常に好調だったというが、1990年に独立して自身の津森千里デザイン事務所を設立し、ブランド「ツモリチサト」をローンチした。
イッセイミヤケからは"独立"した形の津森だが、アパレル事業をライセンス契約で運営してきたエイ・ネットは、1996年に同グループから分社化した系列会社だ。ちなみに、津森千里の後に「I.S.」のチーフデザイナーになった桑原直の「スナオクワハラ(Sunaokuwahara)」は、エイ・ネット傘下から2016年に独立して再スタートを切っている。
欧州子会社A-net Europeに問い合わせたところ、今回の件は「契約の中断」によるもので、詳細は後日明らかになるという。ちなみに、ワコールによるインナーウェア・リラックスウェアの「Sleep」と「Bit」、内野によるバス用品「Bathroom」、セイコーの時計「Watch」、モーダ・クレアのシューズライン「Walk」、京都丸紅の浴衣「Wa」のほか、コランドが手掛ける財布とバッグの「Carry」といったライセンス展開に関しては何の発表もなされておらず、今後も継続すると考えられる。
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