2019/07/05
「フェンディ」、フォロ・ロマーノで新しいテキスタイルを披露
2019/07/05
「フェンディ(Fendi)」がホームタウンであるローマで行ったショーでは、遺跡の石やモザイクにインスパイアされたコレクションが披露された。

ローマの大理石やポーフィリー(斑岩)作りのフロアから着想を得たミンクのコートや、やはり大理石調のプリントのカシミヤで仕上げたケープなど、半数のルックが古代の建築を取り入れたものだった。
一方で扱うテキスタイルは新しい。ルネサンス様式の窓の格子を模したラップコートは、ラフィアと細かいミンクのストライプを重ねたものだ。
古代ローマ随一の神殿だったウェヌスとローマ神殿に600人ほどのゲストが集うなか、メゾン本社のような1930年代の合理主義建築を模した大掛かりなセットが会場に設置された。

フロントロウには、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、スーザン・サランドン、ゼンデイヤをはじめ、イタリア国内の貴族階級もちらほらと顔を見せていた。
カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が死去して以来、「フェンディ」にとっては初のクチュールショーとなる。それでも、2つめに登場したインターシャのミンクコートのルックなど、ラガーフェルドの精神が強く感じられた。
「フェンディ」のセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)CEOは昨年9月に初めて会場を訪れたが、ラガーフェルドが積極的に支持したことで承認したという。
キャストから音楽まで、いたるところにラガーフェルドの影響が感じられ、さらにその伝説を後押ししているかのような印象を受けた。サウンドトラックも、ラガーフェルドと長年仕事をこなしてきたミッシェル・ゴベール(Michel Gaubert)によるものだ。

他にもカールの「フェンディ」らしい要素として、その軽やかさは健在だった。非常に軽いガウンドレスや、褐色の肌のモデルがミレイユ・ダルク風のウィッグを被ってセミシアーのオーガンジーをレイヤードしたドレスを纏ったルックは印象的だ。
「『フェンディ』に来る時は、常に驚きがないとね。今回なら、過去と未来のコントラストというところかしら。大理石を柔らかいテキスタイルで表現したのよ」とシルヴィア・ヴェントゥリーニ・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)は語る。さらに、再利用したファーを取り入れたルックも用意したと補足した。
フォロ・ロマーノで行われたショーは、まさに「フェンディ」の"ホーム"に相応しいものだった。西洋文明発祥の地で、ルーツを辿りながら驚くような"今"を見せてくれた。
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