2020/03/17
「ランバン」、ジャン=フィリップ・エケCEOが退任
2020/03/17
「ランバン(Lanvin)」のジャン=フィリップ・エケ(Jean-Philippe Hecquet)CEOが即時退任する。メゾンの経営陣の抜本的な再編に伴うものだという。

後任としては、親会社の復星ファッショングループ(Fosun Fashion Group)(以下、FFG)会長で「ランバン」取締役会議長も務めるジョアン・チェン(Joann Cheng)(程云)が暫定的にCEO職を兼務し、ブランドの戦略や事業を監督する。FFGが本紙に明かした。
「我々の株主は確固としたビジョンを持っており、ブランドへの投資とイニシアチブを積極的に進めています。これはまだ序章にすぎません」とチェン会長。
「経営陣と協力し、『ランバン』が正しく成長できるよう支えていきます。取締役会は、重要な時期に『ランバン』を率いたエケ氏の尽力に感謝します」とも付け加えている。
FFGは2018年春に「ランバン」の過半数株式を取得し、1億ユーロ(約117億9200万円)相当を投資した。他にも、FFGは「ウォルフォード(Wolford)」、「セント・ジョン(St. John Knits)」、「カルーゾ(Caruso)」、「トム・テイラー(Tom Tailor)」といったブランドを傘下に収めている。復星国際は香港証券取引所に上場しているが、FFGは中国本土の上海に本社を置く。
FFGは「ランバン」取得後すぐにエケ氏をCEOに迎えた。同氏は「タグ・ホイヤー(Tag Heuer)」や「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」といったラグジュアリーブランドでの経験も豊富だ。
現クリエイティブディレクターのブルーノ・シアレッリ(Bruno Sialelli)を起用したのもジャン=フィリップ・エケだった。

FFGは、「業界でも有数のアイコニックなメゾンとしてのポジションを、再び確固たるものとするため積極的に取り組む」ことを強調しており、「ブルーノ・シアレッリのもと、『ランバン』はプレイフルかつ時流に合った形でアップデートされた。ブランドの遺産を受け継ぎつつ、フレッシュなアイデンティティを作り上げている」と評価。クリエイティブディレクターとしてのポジションは当面のところ安泰のようだ。
「新しいCEOが決定するまで、チェン氏と取締役会がすべての事業にわたって会社を運営し、将来的なブランドの成長を支えるような堅固な土台作りを進めていく」と同社。
FFGは中国の復星国際(Fosun International)の子会社で、2017年に設立された。ファッション分野における事業や戦略的投資に特化しており、年商は約12億5000万ユーロ(約1474億3400万円)ほどに上る。
(2020年3月17日現在、1ユーロ=118円で換算)
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