fashionsnap
2023/02/14
「タイガ タカハシ」がブランド名を「T.T」に変更、デザイナー急逝後初のコレクションを発表
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2023/02/14
「タイガ タカハシ(Taiga Takahashi)」が、ブランド名を「ティー・ティー(T.T)」に変更し、新体制初となる2023年秋冬コレクション「BETWEEN SKY & SOIL」を発表した。

ブランドのこれまでと今後の方針
1995年生まれの髙橋大雅は神戸市で育ち、2010年に渡英しロンドン国際芸術学校に、2013年にセントラル・セント・マーチンズのBAウィメンズウェア学科に進学。2017年に同校卒業後、自身の名を冠した「タイガ タカハシ」をニューヨークで立ち上げた。2021年秋冬コレクションから「過去の遺物を蘇らせることで、未来の考古物を発掘する」をブランドコンセプトに掲げ、メンズ主体に切り替え。「衣服は記憶を辿る装置」だとし、考古学の視点で自身のクリエイションを追求していたが、髙橋は2022年4月9日に致死性不整脈により27歳で逝去した。
髙橋の生前から予定されていた通り、今後「タイガ タカハシ」は現代美術家としての名義、「T.T」は衣服を制作発表するプラットフォームとして運営していくという。
T.Tでは、ブランド設立当初から髙橋を支えてきたチームが、今までのタイガ タカハシの核心である「過去の遺物を蘇らせることで、未来の考古物を発掘する」という遺志を引き継ぎ、彼が生前蒐集した1900年初頭のアメリカやヨーロッパのヴィンテージアーカイヴを研究、失われつつある日本の伝統的な技法などを用いて現在そして未来にも存在する衣服を発表していく。
2023年秋冬コレクションの展示会開催にあわせて、T.Tのフィロソフィーフィルムを公開。アトリエがある京都で制作された映像で、髙橋の「未来は過去にある」という考え方を描いたという。
新体制初のコレクションで追求する「未来は過去にある」という信条
2023年秋冬コレクションでは、光や雨を与える空と、石が苔むし木々が枯れ落ちていく大地の間で、長い時間をかけてゆっくりと万物が形を変えていく姿など、時間や自然によってコントロールできない偶発的な美が生む余白に着目。新しいものが日々生み出され消費されていく社会の中で、真に価値があり時を超えて生き残るものは何か追求するため、過去の膨大な衣服やアクセサリーのアーカイヴを研究し、時間が経っても色褪せない魅力的な意匠を抽出した。時のうつろいによってさらに磨かれていく美しさを兼ね備え、100年後の未来へと生き続ける服づくりを目指したという。
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