2017/05/02
「ジミー・チュウ」売却先、最有力候補は米コーチか
2017/05/02
アメリカのコーチ(Coach)が、英高級シューズブランド「ジミー・チュウ(Jimmy Choo)」の売却先として最も有力視されているという。

先月、親会社のJABホールディングス(JAB Holdings)は、原点であるコーヒー・カフェ事業に注力するとして、「ジミー・チュウ」のほか、同じく英国ブランド「ベルスタッフ(Belstaff)」やスイスの「バリー(Bally)」といった傘下のラグジュアリーブランドの売却の可能性も示唆していた。
欧州のラグジュアリーコングロマリットよりは、アジアや中東などの投資会社がコーチのライバルとして浮上するのではないか、とも見られている。
コーチ社が「ジミー・チュウ」買収を果たせば、傘下のプレミアムブランド「スチュアート・ワイツマン(Stuart Weitzman)」よりさらに上、ラグジュアリーマーケットにおけるシューズ事業で存在感を強めることができるだろう。
英サンデー・テレグラフ(The Sunday Telegraoph)紙に業界関係者が話したところによると、時価総額110億ドル(約1兆2300億円)のコーチは、買収競争で有利になるに足る十分な資金があるという。また、今月指名されたばかりのジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)新CEOは、2012年まで「ジミー・チュウ」のトップを務めていた人物でもある。
コーチは2015年に6億ドル(約673億4000万円)相当で「スチュアート・ワイツマン」を買収したが、以来同ブランドの売上は右肩上がりだ。さらに手広いマルチブランド企業に成長しようとの方針も見え、最近では「バーバリー(Burberry)」買収に向けても動いていたが、この提案は拒否されている。さらに、「ケイト・スペード」の売却先としても未だに有力候補と見る向きは多い。
「ケイト・スペード」に関しては、先月初めにブランドが交渉期間を延長したいと発表したことから、ライバルとしてマイケル・コース(Michael Kors)がコーチを押しのけて最有力候補になったのではないか、との憶測も飛び交った。
とにかく今回、7億ポンド(約1014億5700万円)という価格で「ジミー・チュウ」を買収することができれば、ポテンシャルの高いブランドを取得できるだけでなく、まだ開拓中である中国市場での展開拡大の道も開けることから、コーチにとっては良い買い物になるはずだ。「ジミー・チュウ」は、メンズとフレグランスの両事業でも大きく売上を伸ばしている。
(2017年5月2日現在、1米ドル=112円、1英ポンド=145円で換算)
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