2016/09/07
「ミラノ・ウニカ」は9月か7月か、見本市にも日程前倒しの気配
2016/09/07
イタリア・ミラノで9月8日まで開催されているファッション素材見本市「ミラノ・ウニカ(Milano Unica)」が、来年の日程に揺れている。「今月末までに、重要な決定を下さなくてはならない。来年の日程について合意に至る必要がある」とエルコーレ・ボット・ポアラ(Ercole Botto Poala)会長は明かした。

秋冬コレクションの時期を、現在の9月から7月に前倒しするか否か、という議論がなされており、今月末までに正式な決定を下すことが必要だ。
「9月に開催すれば、『ミュンヘン・ファブリック・スタート(Munich Fabric Start)』とほぼ同時期になり、ドイツからの集客が期待できなくなる。一方で、7月にはニューヨークで同じ見本市を開催するため、今度はアメリカからの来場者が見込めない。皆が納得する日程など存在しない。しかし、決定を下す勇気も必要だ」とポアラ会長。
「『MUプレビュー(Prima MU)』のように、プレコレクション向けの展示会をもう一つ開く、といったやり方は企業側が望んでいない。やはり、9月か7月か、どちらかを選ばなければならない」と当紙に話した。
また、ロロ・ピアーナ(Loro Piana)のピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナ(Pier Luigi Loro Piana)CEOは、「主にアメリカの小売業者の影響もあって、多くのメゾンがコレクションの時期を前倒しし始めている。以前は、7月に買い付けのリサーチを行う層が20%、9月が80%だったが、今はそれが逆転している」と明かす。
「例えば、我が社はこの7月に買い付けを終えた。9月の『ミラノ・ウニカ』には幾つかサンプルを手に入れるためだけに来ている」と話すのは、ヘルノ(Herno)代表取締役で、SMI会長も務めるクラウディオ・マレンツィ(Claudio Marenzi)氏だ。
「MUプレビュー」に参加したある業者は、「7月には商談が本当に沢山あった。しかもほとんどが上客だ」ともコメントしていた。現状の9月より、7月に本展を前倒しすることを望む声も少なくないように思われる。
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