2019/11/19
「コシェ」がOTBとライセンス契約締結
2019/11/19
クリステル・コシェール(Christelle Kocher)手掛ける「コシェ(Koché)」が、「ディーゼル(Diesel)」、「マルニ(Marni)」、「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」などを展開するOTBとライセンス契約を結んだ。2020年秋冬シーズンから、グループ子会社スタッフインターナショナル(Staff International)がブランドの商品を企画・生産・販売することになる。

「スタッフインターナショナルを通じて、OTBは『コシェ』にインダストリアルなグループが持つサービスとシナジーをすべて提供します。若く将来性のあるブランドが発展するには欠かせない要素です。ライセンス契約には、リサーチや商品開発、生産、世界各国での販売(小売、卸売、EC)も含まれています」とOTB側。
スタッフインターナショナルによるコレクションは、メンズ・ウィメンズのアパレル、シューズ、バッグ、スモールレザーグッズと、2020年秋冬シーズンからすでにすべての商品をカバーする予定だ。
クリステル・コシェールはフランス・ストラスブール出身で、ロンドンの名門セントラルセントマーチンズで学んだ。その後「エンポリオ・アルマーニ(Emporio Armani)」でキャリアをスタートし、マルティーヌ・シットボン(Martine Sitbon)時代の「クロエ(Chloé)や「ソニア・リキエル(Sonia Rykiel)」などでも経験を積んでいる。
2009年には「ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)」のファーストアシスタントとなったほか、トーマス・マイヤー(Thomas Maier)手掛ける「ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)」のウィメンズコレクションにも関わった。そして2010年、シャネル(Chanel)傘下の羽根細工工房「メゾン ルマリエ(Masion Lemarié)」のアーティスティックディレクターに就任。現在も同職は継続しており、伝統的な刺繍に現代的な風を吹き込んだ。
今回の合意で、自身のブランドにとっても大きな一歩を踏み出したことになる。特に国外での展開拡大が加速するだろう。2015年に「コシェ」を立ち上げ、同年9月にパリ ファッションウィークでランウェイデビューを果たしたたが、ストリートライクな感性と多様な文化をミックスしたスタイルで注目を集め続けている。現在、「コシェ」は世界各国の百貨店やセレクトショップで取扱いがある。
クリステル・コシェール本人も、「今回のパートナーシップは戦略の一環で、スタッフインターナショナルの豊富な経験が『コシェ』を国外でさらに発展させてくれるでしょう。自分のブランドの未来を作り上げていくことを非常に楽しみにしていますし、メンターでもあるレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)氏にはいつも刺激を受けています!」とコメント。
OTBを率いるレンツォ・ロッソは、クリステル・コシェールがグランプリを勝ち取った2019年「ANDAM賞」で、彼女の受賞を後押しした。「7月のANDAM賞でクリステルに出会ったが、ファッションに対するモダンな視点はもちろん、何より若い世代のカルチャーにアプローチするやり方が気に入った。業界に長い我々の経験を活かし、彼女のクリエイティビティとその成長を支えることができて嬉しく思う」と語っている。
スタッフインターナショナルは、「メゾン マルジェラ」や「マルニ」、「ディーゼル(Diesel)」、「Brave Kid」、「ヴィクター&ロルフ(Viktor & Rolf)」といったOTB傘下のブランドの他にも、すでに「ディースクエアード(Dsquared2)」、「ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)」、「ジャストカヴァリ(Just Cavalli)」などとライセンス契約を結び、生産・販売を手掛けている。
アクセサリーブランド「パウラ・カデマルトーリ(Paula Cademartori)」はこの10月末にOTB傘下から離脱したが、グループは「ヴィクター&ロルフ」株を70%まで買い増ししたほか、アメリカのブランド「アミリ(Amiri)」に少数株主として出資も行った。OTBの2018年の売上高は14億3900万ユーロ(約1730億1500万円)だった。
(2019年11月19日現在、1ユーロ=120円で換算)
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