2017/11/07
「ザラ」、タグに賃金未払いの労働者からメッセージ
2017/11/07
「賃金が支払われていません」。トルコ・イスタンブールの「ザラ(Zara)」店舗で販売されていた商品のタグに、工場労働者からのメッセージが記されていた。トルコで「ザラ」製品を生産している工場、Bravo Tekstil社の従業員からのものだ。

同様のタグは2014年に「プライマーク(Primark)」でも発見されたが、調査の末それらは偽物であったことが発覚している。
しかし今回のタグは本物で、フランスのリベラシオン(Libération)紙はBravo Tekstil社が実在することを突き止めた。同工場は、インディテックス社の他のブランドや、「マンゴ(Mango)」、「ネクスト(Next)」といったファストファッションの下請けも行っていたが、2016年7月に突然閉鎖。社長は資金を持って姿を消し、140人の従業員は3ヵ月分の賃金が未払いのまま残されたという。
「ザラ」の親会社であるインディテックス(Inditex)は、米経済誌ファスト・カンパニー(Fast Company)の取材に対し、書面で次のように回答している。「インディテックスはBravo Tekstiに対し、契約にある全ての義務を果たしている」。しかし、従業員は不当な扱いを受けているとし、大手ブランドの労働者に対する責任に関して一石を投じたい考えだ。
「世界的に知られる他のブランドと同様、『ザラ』も下請け工場の労働条件を保証する契約を結んでいる」とリベラシオン紙に話したのは、労働組合「ディスクテクスティル(Disk Tekstil)」のAsalettin Arslanoglu氏だ。「ヨーロッパではこの契約を振りかざし、自分が社会的責任を果たしている企業だと吹聴する。しかしここでは、(中略)高品質な商品を安い価格で生産したいと考えている大手グループが大量に発注を掛けることにより、小規模工場の経営者は手が回らなくなってしまう。すると当然、従業員とその労働条件に皺寄せすることになる」。
EU諸国への免税も手伝い、2016年、トルコはヨーロッパに対するアパレルの生産輸出量で第3位の位置を占めている。
不許複製・禁無断転載
© 2023 FashionNetwork.com