2020/01/28
「ザラ」のデニムが「アミリ」に酷似、アメリカで提訴
2020/01/28
アメリカのブランド「アミリ(Amiri)」を展開するAtelier Luxury Group LLC(以下、Atelier社)が、デニムのデザインをコピーしたとして「ザラ(Zara)」を提訴した。 原告は300万ドル(約 3億2600万円)以上の損害賠償を求めている。

米ザラ社(Zara USA, Inc.)を相手取り、Atelier社が1月22日にカリフォルニア州西部地区中央裁判所に提出した訴状によると、「ザラ」は「原告の有名な『Amiri MX2』ジーンズのスタイル、外観、ムードをコピーし、より低い品質で『Combination Skinny Biker』ジーンズとして販売した」という。
「アミリ」はマイク・アミリ(Mike Amiri)が ロサンゼルスで立ち上げたブランドで、音楽やアート、アンダーグラウンドカルチャーに影響を受けたロックかつラグジュアリーなアイテムがセレブリティにも人気を博している。
クラッシュデニムも代表的な商品の一つだが、問題の「Amiri MX2」は2019年の1月に発売したモデルだ。ストレッチデニムに、プリーツを施したレザーのパネルをあしらったデザインで、腿と膝のジッパーも特徴となっている。イタリア製の生地を使用し手仕事で加工したという同商品は、生産に数ヵ月も掛かると原告側。現在も小売価格1150ドル(約12万5000円)で販売されており、すでに何百万ドルもの売上を上げているという。
一方、「ザラ」の「Combination Skinny Biker」は2019年12月に発売されたもので、同じくウォッシュデニムを使用したスキニージーンズになっており、プリーツのレザー風パネルや、腿、膝のジップといった共通のディテールも見られる。
Atelier社は「両者には、明白で、かつ驚くような類似性がある」と被告を糾弾。原告側の弁護事務所が発表した声明でも、「ザラ」が「アミリ」ブランドの「評判と信用を貶め」、「消費者が、『ザラ』のジーンズを、『アミリ』にスポンサーやライセンスなど何らかの承諾を受けたものだと誤解する」と訴えている。
「ザラ」は他にもデザインの模倣で様々な物議を醸しており、キューバの弱小企業「Clandestina」やアメリカのアーティスト、Tuesday Bassenがアイディアを盗用されたと声を上げたほか、ストリートブランド「レベル8(Rabel8)」など実際の訴訟に持ち込まれた事例も少なくない。「ディーゼル(Diesel)」と「マルニ(Marni)」の親会社OTBグループは、両ブランドの商品をコピーされたとしてイタリアで訴えを起こし、2018年に勝訴している。
また、日本でも 、「ザ・リラクス(The Reracs)」を手掛けるザ・リラクスがコートのデザインを完全に模倣されたと訴え、ザラ・ジャパンを相手取って損害賠償を請求。2018年には、東京地方裁判所が被告に対し1000万円以上の支払いを命じている。
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