2017/08/04
「イル ビゾンテ」がリブランド、ミラノに旗艦店も
2017/08/04
イタリア・フィレンツェ発のバッグ・革製品ブランド「イル ビゾンテ(Il Bisonte)」が、拡大を加速させる。2015年、イギリスの投資会社パラモン・ キャピタル・ パートナーズ(Palamon Capital Partners)が買収し、トップには元サルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo)副CEOのソフィア・チュッキ(Sofia Ciucchi)を起用した。

「『イル ビゾンテ』を蘇らせ、商品、レザー、素材といったブランドが元々持っている強みを活かしたいと考えました。より都会的なテイストを加えて現代的な商品を打ち出し、トスカーナの職人技の価値を評価してくれるような、若くて洗練された客層にアピールします」とチュッキCEOは当紙に話した。
1970年にワニ―・ディ・フィリッポ(Wanny Di Filippo)が創設した「イル ビゾンテ」。フィリッポ自身は株主を降りているが、変わらず会長職を続けている。ブランドは今までの「カントリー」なイメージから、「カジュアルシック」な方向へシフトしていきたい意向だ。そこで目を付けたのが、「マルベリー(Mulberry)のクリエイティブディレクターも務めた英国人デザイナー、エマ・ヒル(Emma Hill)だった。彼女とコラボレーションし、ローマの服飾専門学校でマスタークラスをスタートしている。
売上の8割を占める定番モデルを補完すべく、バッグとレザーグッズに重点を置き、シーズナルな商品を展開する。テキスタイル素材の雑貨、サンダル、文房具なども加えた。
「我々は単なるバッグのメーカーではなく、全方位的にライフスタイルとクラフツマンシップを体現しているのです」とCEO。商品だけでなく、販売網やマーケティングも刷新する。

6月にフィレンツェの本店を改装したほか、ミラノの高級ショッピング地区にも、フロア面積90平米を誇る旗艦店をオープンする。ミラノ、フィレンツェ、ロンドンのほか、ローマに2店舗、パリに2店舗の単独店を展開する「イル ビゾンテ」だが、さらに重要なマーケットである日本では、38店舗のフランチャイズ店も抱えている。日本での売上が全体の60%を構成しており、国内正規販売代理店のルックは、韓国の3店舗も運営している。
「日本では現在のポジションを維持しつつ、ニューヨークにショールームを開設してアメリカでの展開を加速し、ヨーロッパも強化したいと考えています。特に、フランスでの再スタートも重要ですね」。

「イル ビゾンテ」は現在90人の従業員を抱え、売上高は2億1000万ユーロ(約274億7800万円)に上る。「メゾンは新規の市場に対しても大きなポテンシャルを秘めています。毎年20~25%程度の成長を計画しています」とCEOは締め括った。
(2017年8月4日現在、1ユーロ=131円で換算)
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