2017/04/10
「ルイ・ヴィトン」、「グッチ」、第1四半期にラグジュアリー産業の回復を見る
2017/04/10
とある業界関係者は、「『グッチ』が非常に好調で、いくつかの市場では売上が2桁台後半の伸びを見せている」と語る。停滞気味だった昨年と比べれば、「グッチ」の成長はより著しいものになるだろうことが予想される。

「ルイ・ヴィトン」も同じく好調に推移すると見られており、業界全体が回復傾向にあることも追い風となったほか、比較的低価格帯のものからハイエンドなレザーグッズまで、新しいデザインも成功した。
現在のところ、「グッチ」と「ルイ・ヴィトン」の親会社であるケリング(Kering)とLVMHは、両社ともコメントを控えている。
免税事業を行うグローバルブルー(Global Blue)社が、オマーンで開かれたコンデナスト・インターナショナル・ラグジュアリー・カンファレンスにて発表したところによると、第1四半期には明らかな改善が見られるという。テロによる欧州への旅行者数減少や、ロシア・中東の消費が落ち込んだことも影響し、昨年の高級品市場は低迷していた。
中東を代表するラグジュアリーディストリビューターであるシャルーブ(Chalhoub)グループのパトリック・シャルーブ(Patrick Chalhoub)CEOは、中東地域におけるラグジュアリーの売上高が昨年秋に底を打ったものの、現在は再び持ち直してきていると話す。
「昨年は落ち込んだが、その後ゆっくりと回復しつつある。9月までには、はっきりと回復した数字を目にすることができるだろう」とシャルーブCEO。
同氏は、2017年の中東におけるラグジュアリーの売上高が1~3%程度成長すると見ている。2016年には1%減少していた。世界的にも、ラグジュアリー市場は1桁台前半の伸びを見せると予想されているが、今月発表される予定のLVMHやケリングといった大手グループの第1四半期業績によっては、アナリストが上方修正を行うことも考えられる。
「トランプ大統領が当選してから、回復が見られたように思う」と話すのは、ジミー・チュウ(Jimmy Choo)のピエール・ドゥニ(Pierre Denis)CEOだ。同氏によると、当選決定が株価を引き上げ、純資産価値が上がった結果、消費者心理が回復したという。ECサイト「ファーフェッチ(Farfetch)」のホセ・ネヴェス(Jose Neves)CEOも、ここ数ヵ月で明らかに上向きの傾向が見られたと話している。
「世界500店舗、200ブランドに渡るネットワークを通じて、我々は各国で高い知名度を誇っている。第1四半期には目に見える成長があった」とラグジュアリー・カンファレンスで話したネヴェスCEO。ヨーロッパ以外だと、中国、ロシア、日本、ブラジルで好調に推移しているという。
しかし一方で、同氏も他の多くの業界人と同様、アメリカの百貨店における落ち込みを指摘した。ECサイトとの競争や、過大なネットワークなどが主な要因だ。
ネヴェスCEOは、こうした傾向が「有害」になり得ると見ている。在庫が過剰であることに加え、百貨店の販売網整理が完了するには2~3年掛かるだろうという懸念もある。
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