Reuters
2019/10/28
「H&M」がベルリンに新業態 小規模ショップでライフスタイルや他社ブランドも提案
Reuters
2019/10/28
「H&M」が10月25日、新業態の店舗をベルリンにオープンした。300平米と小規模なショップにはカフェを併設。「H&M」のアイテムに加えて他社ブランドのセレクトを揃え、ヨガのクラスなども提供するという。
昨年には本国スウェーデンのストックホルムに、比較的ハイエンドで小規模なコンセプトの新業態をオープンしていたが、今回の店舗は国外初の試みとなる。
数年にわたって利益が縮小し、核となる低価格帯の店舗の売上が振るわないことから不良在庫が膨れ上がっていた。そこからの立て直しを図り、新しいコンセプトに多大な投資をしてきた「H&M」だが、直近4半期には税引前利益が2年以上ぶりとなる成長を見せている。
ベルリンにオープンした今回の新店舗は、ドイツ国内の平均的な「H&M」ショップと比べ5分の1の面積と小さい。また、アイテムのセレクトも現地消費者の好みに合わせたもので、提携する他社ブランドのフレグランスやヴィーガンコスメ、バッグ、セカンドハンドアパレルなどを販売する。
「街の人たちが実際に遊びに出掛けるようなエリアに店舗を構える必要がありました。あまり小さなスペースで営業するのに慣れてはいないのですが」と話すのは、新しいコンセプトやテクノリジーをテストする「H&M Lab」のビジネスデベロップメント でトップを務めるAnna Bergareだ。
店内では、厳選したウィメンズアパレル、メンズのジャケットとTシャツのほか、店内のコース受講者向けにヨガ用のウェアやアクセサリーを展開する。
試着室にインターフォンを付けることで顧客とスタッフとのコミュニケーションを向上させたり、カフェエリアにタッチパネルを設置し「H&M」商品を検索できるようにしたりと、イノベーション面でも新しい試みが導入された。
オンラインショッピングの拡大に対応し、時間と予算を「モノ」ではなく「コト」に使う方向へ移行してきている消費者へ訴求するねらいがあると同氏。
新業態では、従業員の教育やイベント管理といった点でより手間が掛かるものの、店舗における単純な売上だけではなく、後にオンラインでの購入などに繋がるような関係をいかに顧客と構築していくか、という点が成功の目安になるという。
© Thomson Reuters 2024 All rights reserved.