2020/07/03
「JWアンダーソン」がオンラインでコレクション発表
2020/07/03
「JWアンダーソン(JW Anderson)」は7月2日、2021年春夏メンズコレクションおよび2021年ウィメンズリゾートコレクションをオンラインで披露した。
コレクションはジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)自身が出演する12分間のチュートリアル動画「A Collection Reveal」の中で発表。公式サイトやSNSで配信された。
「こんにちは、ジョナサン・アンダーソンです。今はロンドンのオフィスにいますが、メンズウェアとウィメンズウェアの春夏コレクションについてお話ししたいと思います」とアンダーソン。
エディター陣には事前にブランドからボックスが郵送され、スワッチやカリグラフィー、イラスト、写真や花などがオフィスに届いた。アンダーソン曰く、これは「パッキングの技」を象徴する「メール・アート」なのだという。
コロナ禍の中でコレクションを制作するのは、「クリエイティブに働くための一種の抵抗ようなもの」だったと話す。
メンズウェアの主なテーマはフィッシャーマンだ。
オープニングのルックはケープ、フーディ、トレンチコートを組み合わせたハイブリッドなピースで、マッキントッシュの素材をリサイクルしている。「機能的なパッチワークに仕上げたコラージュだ。特定の年代を設定するのは難しい」。
ケープには、アンダーソンが贔屓にするスペインのアーティスト、Pol Angladaによるドローイングが施されいている。
また、ルック25にあしらわれた湖に浮かぶボートのハンドニットモチーフは祖母の刺繍を取り入れたもので、「クラフトへの回帰」として使用したとアンダーソン。
Angladaのイメージはオーバーサイズニットにも登場したが、「タペストリーを引っ掛けたような」アイテムにはアンダーソンらしいジェンダーレスな感性が光っていた。他にも、壁紙のようなファブリックを使ったフロックコートも目を引く。
ウィメンズのリゾートコレクションでは、仮面のようなマスクがフィーチャーされた。レースのジャンプスーツやシグネチャーであるオーバーサイズなアンメトリックドレスなどにもマスクをスタイリング。
「ロエベ (Loewe)」でもバッグデザインに定評のあるアンダーソンだが、自身のブランドでも面白いアイテムが揃っている。2021年リゾートでは、20年代初頭のフィッシャーマンバッグにインスパイアされたバスケットが新たに登場。メンズではリサイクルポリエステルを使ったバックパックも提案している。
「釣りにはどこか孤独なところがある」とアンダーソンは今の気分を語った。
新型コロナウイルスにより「自分自身でものを作るというところに回帰した」という通り、「メイルアート」のアイディアなどもよくできていて、オンラインでいかにフレッシュにファッションを見せるかという面白いアプローチになっていた。しかし、やはり片手を縛られたボクサーを見ているような歯痒さは残る。
不許複製・禁無断転載
© 2024 FashionNetwork.com