インターネット調査会社のクロス・マーケティングが実施した調査によると

「2008年9月の『H&M』、2009年4月の『FOREVER 21』の日本進出により、より多くの人が、ファッショ
ン性の高い商品を手ごろな価格で購入できるようになった。
これらの”最新の流行を採り入れた衣料品を、短いサイクルかつ低価格で販売するブランドやそ
の業務形態”をファストフードになぞらえ、”ファストファッション”という造語が生まれた。

Ⅰ） 「ファストファッション」の認知

「ファストファッション」認知は4割半。
首都圏在住者の認知は高く、中でも女性20代は、7割半。

◆「ファストファッション」の認知状況（図Ⅰ-1、図Ⅰ-2）
全体では、4割半（45.3%）が知っている。未だ、「H&M」「FOREVER21」「TOPSHOP」などの店舗が首都圏のみに限られるため、全国の認知率は首都圏在住者（51.2%）より低い。
性×年代別に見ると、全国、首都圏いずれのベースでも、年齢が若いほど認知率は高い。また、女性ターゲットのブランドが多いためか、いずれのベース、年代でも【男性】より【女性】の認知が高く、特に、首都圏ベース【女性20代】の認知は7割半と高い。

Ⅱ） ブランドの認知
全国で「H&M」は5割半、「FOREVER21」は約4割の認知。
「TOPSHOP」は1割に満たない。

ユニクロ

◆ブランドの認知状況（図Ⅱ-1、図Ⅱ-2）
全体では、「ユニクロ」（95.7%）が9割を超えて最も高く、「GAP」（64.5%）が続く。「H&M」（56.8%）は5割半ばと、都内
1店舗の「FOREVER21」、大都市圏のみに出店している「ZARA」をおさえ、「GAP」に迫る。
性×年代別に見ると、「ユニクロ」を除き、全てのブランドで男女とも、年齢が若いほどブランド認知が高い。特に、ファッション感度が高い【女性20代】は、いずれのブランド認知も他の年代より高い。
首都圏ベースは、「ユニクロ」「TOPSHOP」を除くすべてのブランドで、全国ベースより高く、出店地域の認知はない。
全国、首都圏で差異が見られない理由として、「ユニクロ」は全国で知名度が高いこと、「TOPSHOP」は”ファストファッション”が注目される以前から仮出店があり、”ファストファッション”が騒がれた時期にメディアで大きく取り上げられなかったことなどから、ファッション感度の高い一部の層のみの認知にとどまるのではないか、などが考えられる。

Ⅲ） 店舗への来店・購入・来店意向

首都圏在住者の「H&M」への来店は2割半、購入経験は1割程度。
また、来店意向は2割強。
同様に「FOREVER21」への来店は1割。来店経験者の4割が購入。
来店意向は1割半。

◆店舗への来店状況（図Ⅲ-1）
首都圏ベースの全体では、「ユニクロ」（77.1%）が約8割と突出して高い。「GAP」（32.6%）が3割、「H&M」（25.4%）、「ZARA」（20.0%）が2割台で続く。都内1店舗のみの出店の影響か、認知で「ZARA」を上回る「FOREVER21」（12.3%）への来店経験は、1割程度にとどまる。
性×年代別にみると、ブランド認知と同様に、「ユニクロ」を除き、全てのブランドで男女とも、年齢が若いほどよく来店している。特に【女性20代】は、「H&M」（65.9%）への来店経験が6割半ばと他の年代より30ポイント以上高く、関心の高さがうかがえる。また、「ZARA」への来店経験も2人に1人と他の年代より高い。
来店経験別にみると、【FOREVER21】来店経験者は【女性20代】【女性30代】が多いためか、「H&M」「ZARA」など、ファストファッションの競合店舗へも足を運んでいる様子。
◆購入状況（図Ⅲ-2）
首都圏ベースの全体では、「ユニクロ」（77.5%）が約8割と他を大きく引き離し、「GAP」（16.6%）は1割半ばにとどまる。「H&M」「ZARA」「FOREVER21」での購入は1割に満たない。
性×年代別にみると、【女性20代】は「H&M」「ZARA」が、【女性30代】は「ZARA」が、2割前後と他の年代より購入経験が高い。
来店経験別にみると、【GAP】【FOREVER21】の来店経験者は商品購入者が4割以上と、「ユニクロ」を除く他ブランドより、購入経験が高い。また、【ZARA】来店経験者は「GAP」の、【FOREVER21】来店経験者は「H&M」の、商品購入経験が4割と比較的高い。
◆来店意向（図Ⅲ-3）
首都圏ベースの全体では、「ユニクロ」（71.3%）が7割と突出して高く、「GAP」（27.4%）が約3割で続く。「H&M」「ZARA」への来店意向（再来店を含む）は2割前後にとどまる。やはり、認知・購入経験が各年代ともに高い
「ユニクロ」が最も支持されている。
性×年代別にみると、【女性30代】では4割が「ZARA」「H&M」への来店意向があるが、認知・来店・購入ともに高かった【女性20代】では3割前後。
来店経験別にみると、「GAP」「ZARA」来店経験者は2人に1人が、各々のブランドへ再度来店したいと考えており、他ブランドより再来店意向が高い。
購入経験別にみると、いずれのブランドでも購入経験者の来店意向は高く、【FOREVER21】購入経験者（48.1%）を除き、7割を超える（※【FOREVER21】購入経験者はn=30以下のため、参考値）。また、【ZARA】購入経験者は「FOREVER21」を除く競合店舗への、【H&M】購入経験者は「ZARA」「FOREVER21」への来店意向が比較的高く、ファストファッションブランドへの関心の高さがうかがえる。

Ⅳ） ブランドのイメージ

【H&M】は「他にはない商品がある」、
【FOREVER21】は「かわいらしい」「派手な」イメージ。
2ブランド共通のイメージは「流行の洋服や小物が購入できる」。

◆ブランドのイメージ（図Ⅳ-1）
【H&M】は「流行の洋服や小物が購入できる」「他にはない商品がある」「デザインが豊富」と、”ファストファッション”の代名詞ともいえるイメージが並び、大ブームを引き起こした立役者ならでは。
【FOREVER21】は「かわいらしい」「流行の洋服や小物が購入できる」「派手な」など、ブランドのモットーである『最新のトレンドを取り入れたポップでキュートなスタイル』が伝わっている様子。
【ユニクロ（UNIQLO）】は「コストパフォーマンスがよい」「色が豊富」であり、「低価格で購入しやすい」イメージが、多くの人に支持されていると考えられる。


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