fashionsnap
2015/09/30
"形"がなくても高評価 15年度グッドデザイン賞はモノ以外の選出目立つ
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2015/09/30
公益財団法人日本デザイン振興会が9月29日、2015年度グッドデザイン賞の受賞結果を発表した。シチズン時計が「ミラノサローネ 2014」で発表したインスタレーション「LIGHT is TIME」など話題の作品が受賞したほか、書店の新しいビジネスモデルが評価された「本屋B&B」や小売の「いろざ(IROZA)」、オンラインファッションレンタルサービス「エアークローゼット」などプロダクト以外の選出も目立った。
今年度のグッドデザイン賞は新しい審査体制を構成し、審査委員長に永井一史、副審査委員長に柴田文江を起用。このほかにスマイルズ代表の遠山正道やアートディレクターの平林奈緒美、原研哉、バイヤーの山田遊らに加えて海外委員12名を含む総勢80名で、3ヶ月にわたる審査を実施した。審査過程においては新たな試みとして解決すべき12のフォーカス・イシューをとりまとめ、選考に役立てたという。
受賞したのは、シチズン時計の「LIGHT is TIME」をはじめ、そごう・西武と佐藤オオキ率いるネンド(nendo)の協業ブランド「バイエヌ(by | n)」やパフューム(Perfume)の出演でも話題になった米ロックバンド オーケーゴー(OK Go)の「I Won't Let You Down」のミュージックビデオなど。「本屋B&B」や「IROZA」「エアークローゼット」に加えて、クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」やクラウドファンディングサイト「モーションギャラリー(MotionGallery)」、シェアビレッジ「古民家」やまちづくりの「石巻・川の上プロジェクト」といったモノやカタチに留まらない多様なラインナップが揃っている。
今回の審査対象数は昨年度から57件増の3,658件で、受賞企業数は108件増の909社、受賞件数も79件増の計1,337件と全体的に増加傾向にあるという。永井一史は「デザインと社会の関係が変化している。今まではデザイナーが中心となってエントリーしていたが、広い領域でデザインの認識が広がったことで、より幅広いジャンルの方から応募があったのでは。今までに無い新しいデザインへのチャレンジを評価したい」とコメント。柴田文江も「一人ひとりに対してデザインを届けていこうという取り組みが見られた」と評価した。
グッドデザイン賞に選ばれたデザインは、10月30日から東京ミッドタウン内各所で開かれる受賞展「グッドデザインエキシビジョン2015[G展]」で公開。同日に特別賞や大賞候補を発表し、最終日の11月4日に大賞を決定する予定だ。
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