東京の渋谷ヒカリエを中心に開催されてきたファッションウィークの最終日は、それぞれのブランドが様々な形式でコレクションを発表した。「Theatre Products（シアタープロダクツ）」は映像を制作し、「The Dress & Co. Hideaki Sakaguchi」はパーティー形式で発表。そして大トリの「Dresscamp（ドレスキャンプ）」の会場では新進ブランドのゲリラーショーが行われ、注目を集めた。

　最終日の22日は、デザイナー末安弘明が「Hiro（ヒロ）」を休止して新たに立ち上げたブランド「Kidill（キディル）」のデビューショーで幕開けした。「Né-net」のテーマは「キラキラ（twikle twinkle）」。星が描かれたランウェイで、少女漫画風の瞳のアニメーションを背景に登場したモデルは、顔を覆うマスクとレモン型のヘアスタイルで頭全体を瞳に見立てた。ワークウェアをベースに、ジャカードやプリントに使用されたキャラクターを手がけたのはマンガ家のいがらしゆみことタナカカツキ。デザイナー高島一精は少女の瞳のピュアな魅力に惹かれたという。

　DJ YasaとDJ HI-CによるターンテーブルユニットKireekによる鮮烈な音と光の演出で幕開けした「Yoshio Kubo（ヨシオクボ）」のコレクションは、メンズファッションの仕立てや素材をスポーツウェアに転換。デザイナー坂口英明が手がける「The Dress & Co. Hideaki Sakaguchi」は、街をイメージしたという会場にファンシーなオリジナル雑貨を販売する露店を設置し、パーティーが行われる中をモデルが歩くプレゼンテーションで顧客とのコミュニケーションを図った。

　ファッションウィークのトリを飾った「Dresscamp」の会場では、開場から開演までの間に新進4ブランドがゲリラ的に作品を発表した。これはスタイリスト伏見京子が立ち上げた新プロジェクト「Happening（ハプニング）」の第一弾。劇場や貴族のインスピレーションから2014-15年秋冬コレクションを発表した岩谷俊和は、裏と表、見えているものの意味を問い、視点を変える試みでクリエイションしたという。