2018/10/04
2019年春夏トレンド、四大コレクション総括
2018/10/04
2019年春夏シーズンは、フェミニンなスタイルがランウェイを席巻した。ストリートウェアやスポーツ、マスキュリンといった要素がここ数シーズン主流となっていたが、再び軽やかでナチュラルなエレガンスが復活し、そこに取り外し可能なピースやハイブリッドな構造を加えてアップデートしたワードローブが登場。ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリの4都市のランウェイで見られた10のキートレンドを紹介する。
1)フィッシュネット

メンズでも多く見られたフィッシュネットが、ウィメンズのトレンドとしても浮上した。「Calcatterra」や「Anaïs Jourden」のセクシーなメッシュから、「アルチュザラ(Altuzarra)」のエキゾチックな自然にインスパイアされたものまで様々だ。また、「ディオール(Dior)」、「ソニア・リキエル(Sonia Rykiel)」、「JW アンダーソン(JW Anderson)」、「サルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo)」などはヴェールのような使い方を、そして「ミッソーニ(Missoni)」ではビッグサイズのニットの形で、「バルマン(Balmain)」ではフューチャリスティックかつジオメトリックな結び目模様として登場した。メタリックで鎧のような洋服に仕上げたのは「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」だ。
2)ドット

40年代や50年代のピンナップガールを思わせる白黒ドットの人気が再燃している。エディ・スリマン(Hedi Slimane)お得意のボリュームミニドレスを水玉で仕立てた「セリーヌ(Celine)」や、モニカ・ベルッチが纏った「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」のタイトなドレス、そして「バーバリー(Burberry)」や「モスキーノ(Moschino)」、「プラダ(Prada)」では、ランジェリー風のスタイルで登場。「コシェ(Koché)」はもう少しカジュアルに、サマードレスやコートを提案した。
3)チュール

軽やかでトランスパレントな質感のチュールも様々なコレクションに用いられていた。「ディオール」や「チカキサダ(Chika Kisada)」、「エルマンノ・シェルヴィーノ(Ermanno Scervino)」では、バレエにインスパイアされたドレスやボディースーツに、「Act n°1」ではウェディングドレスに。「ブロニャーノ(Brognano)」のコクーンシルエットや、「マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)」の光る素材、「リチャード・クイン(Richard Quinn)」のブラックチュールも目を引いた。
4)レザー

レザーは来春のマストな素材になりそうだ。もちろん夏物にも使われていて、フォルムも加工も多岐に渡った。クラシックなブルゾン、コート、スカート、ブラックのスリムなパンツだけでなく、非常に薄く軽い革を意外な色使いで提案したブランドも見られた。「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」では、フレアしたコルセット風のベルトがレースのルックにアクセントを添えている。
5)バイカーショーツ

4都市全てで見られた新しいトレンドアイテムといえば、やはりバイカーショーツだ。サイクリストが着るような膝丈のぴったりしたショートパンツは、セーターからドレス、ジャケットまでいろいろなアイテムと併せられていた。ネオンカラーのリクラは「ブルマリン(Blumarine)」が、プリントジャージーは「プラダ」が提案しているが、他にも「ミュグレー(Mugler)」のシャイニーなバージョンや、ビジューをあしらった「ロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)」、そしてデニムやサテンなどで仕上げたブランドもあった。
6)コード、紐

コードやロープなど、結んだり縛ったりする「紐」のディテールが、メンズに引き続きウィメンズにも登場。マリン、トレッキングなどスポーツの世界からインスパイアされたものだ。「エルメス(Hermès)」では金属の鳩目穴にコードを通したり、「Afterhomework」、「ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)」のコレクションではパンツ、首周りにあしらわれていた。また、「クロエ(Chloé)」、「モンス(Monse)」、「ヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)」、「アルチュザラ」は腰に巻くスタイルに。特に取り外しして変形する洋服には、ストラップやリボンが非常に重要になってくる。ボリュームやギャザーを調整する役割を担うものも見られた。
7)フリンジ

「紐」から派生して、フリンジも今季のランウェイには多数登場した。短いものから長いもの、細かかったり大振りだったり、デザインの主役にも縁飾りにも、色々な形態で、色々な素材で用いられている。ビーズ、レザー、棒状のクリスタルを繋げたものから、羽根飾りまで様々だ。「ビブロス(Byblos)」のカラーシューレースのほか、「ドルチェ&ガッバーナ」はゴールドやマルチカラーのリボン、「ジバンシィ(Givenchy)」はシルバーのフリンジを打ち出した。ガーランドのように垂らした「カルバン・クライン(Calvin Klein)」、カウボーイスタイルの「シャネル(Chanel)」、「コーチ(Coach)」、「ロンシャン(Longchamp)」、「マイケル・コース(Michael Kors)」のほか、「ジャクムス(Jacquemus)と「マルケス アルメイダ(Marques’Almeida)」はショールをぐるりと一周して装飾した。
8)マルチポケット

現代生活においてポケットは必需品だ。特にスマート端末を複数所持していれば、バッグの中をいちいち漁らなくて済む。今シーズンは、シャツからジレ、パンツ、ドレスにいたるまで、あらゆるアイテムに複数のポケットが付けられていた。「サカイ(Sacai)」はスカートにいくつもポケットをつけ、ファスナーで取り外しができるように仕立てた。また、「ビブロス」では、紙、金属、ガラス、プラスチックとそれぞれ分別できるようなユニークなものが、そして「フェンディ」はカーペンターエプロンのようなベルトポーチが登場した。
9)クラインブルー

オールホワイトのルックからナチュラルカラー、パステル、ネオンと幅広い色彩が見られた今シーズン。イエローとグリーンも印象的だったが、中でも「クラインブルー」と呼ばれる深く濃いブルーはあちこちに見られた。
10)拘束する衣服

常に動き回るアクティブで自由な女性のイメージが広がる一方で、その陰にある抑圧を表現するコレクションも目立つ。拘束衣のように動きを制限するもの、レースアップして締め上げるビスチェや、網でできた檻をそのまま被って締めたようなアイテムも。それに合わせて、マスクやヴェールで顔を隠すルックが登場した。
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