2018/06/25
2019年春夏シーズン メンズトレンド
2018/06/25
ロンドンから始まり、フィレンツェの「ピッティ・ウオモ(Pitti Uomo)」を挟んで、ミラノ、パリのメンズ ファッションウィークが終了した。その中でも、ランウェイで目立った10のトレンドをピックアップ。ここ数年のストリート、スポーツウェアの流れは持続傾向にあるが、特にスーツに取って代わったのがトラックパンツやスウェットだ。より軽やかに、よりカジュアルに、スポーティなエレガンスと高い機能性を備えたメンズワードローブでは、テッキーな素材がアクセントになっていた。

1. プラスチック
ビニール袋による海洋汚染に対して問題意識を持つデザイナーも少なくないが、メンズファッションではまだまだプラスチック素材の使用が全盛だ。「プラダ(Prada)」では、会場自体をプラスチックで覆い、さらにPVCのクッションを配する徹底した内装も見られた。
サステナブルな製法やリサイクルを試みるブランドもあり、特に一歩先を行くイノベーションを探求するブランドに顕著な傾向だった。数シーズン継続して登場しているトランスパレントなアウターだけにとどまらず、ビニールやワックスツイル、ポリエステル、シリコン、ゴム、さらにネオプレンなど、あらゆる素材があらゆるアイテムに用いられている。もちろん小物も例外ではなく、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」、「アンダーカバー(Undercover)」、「メゾンミハラヤスヒロ(Maison Mihara Yasuhiro)」などでは、プラスチック製の大ぶりなチェーン使いが目を引いた。

2. オーバーサイズシルエット
ストリートから派生したオーバーサイズのトレンドは数シーズン前に始まり、今や定番になった感もあるが、今季はボリュームを更に増して最先端に返り咲いた。身幅を誇張したシルエットは必然的に腿までを覆い、厳しい競争社会を生き抜く男性の戦闘服とも呼べそうな具合だ。来夏は、特にベルトでウエストマークした着こなしを。他にもXXLシルエットの波は、コンフォートなワイドパンツからチュニックのようなレングスのマキシシャツまで様々なアイテムに広がっている。
3. ハンターベスト
先シーズンからの"プロテクト"トレンドは持続する様子で、あらゆる環境に適応できる衣服のアイディアが色々な形で散見された。「リック・オウエンス(Rick Owens)」や「コットワイラー(Cottweiler)」のように、テントやギアを直接洋服に取り込んでしまうブランドも。

ポケットを多数取り付けたカーゴパンツや、弾薬帯のようなベルトなども見られたが、中でもハンターベストが印象的だった。「ルイ・ヴィトン」のようなライフジャケット型、「サンカンツ(Sankuanz)」の防弾チョッキ風、あるいは「ジュンヤワタナベ」のパラシュートベストなど、バリエーションも様々だ。

4. オーバーナイトバッグ
一泊旅行に旅立てるようなコンパクトなオーバーナイトバッグがカムバック。70年代に人気を博したが、以来日陰の存在になり果てていた。ストラップで斜め掛けにしたり、首周りにチェーンでぶら提げたりと着こなしにも幅がある。一方でマイクロポシェットも人気が高く、パスポートホルダーのような形で取り入れられている。
5. ショーツ
来夏のマストハブになるアイテムは、何と言ってもショーツだろう。昼夜問わずあらゆるルックに組み込まれていた。ワールドカップからのインスピレーションもあり、サッカーユニフォームのようなビッグシルエットのコンフォートなアイテムが目立った。

他にも、サイクリングパンツや、テニス、サーフスーツに、ランニングのマイクロショーツなども登場。「プラダ(Prada)」はヴィンテージプリントのマイクロ丈スイムウェアを再解釈して提案していた。他にも、重ね履きしたり、パンツの上にトロンプルイユ柄としてプリントされたり、もちろんバミューダスーツやストリートなセットアップといった形でも多く見られた。

6. ウィンドブレーカー
ここ数シーズンほど人気が衰えないウィンドブレーカーは、ナイロンから丈夫な高機能素材まで様々だが、特に大きなポケットのついたクラシックなモデルが増えた印象だ。サイズ感、ボリューム、生地使いなど、各ブランドの個性が光った。

7. コード
スポーツのトレンドが持続するなか、マリンから山登りまで、コードを使ったアイテムはあらゆるコレクションに取り入れられていた。フーディーやパーカの首周りはもちろん、ジョガーパンツにも、コントラストのある色使いで登場。

8. メッシュ、ネット
スポーツの影響からか、メッシュ素材がトレンドに浮上。フィッシュネットニットはブルゾンやシャツにまで。「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」のセクシーな提案のほか、「パル・ジレリ(Pal Zileri)」のルーズなニットや、「ラフ・シモンズ(Raf Simons)」の穴が空いたプラスチックトップなどが肌を透かすルックが目につく。また、「ディオール(Dior)」はトーネットの椅子を思わせる編み地をブラックのトートバッグに昇華し、洗練されたメッシュを見せた。

9. ネオンカラー
ワークウェアにも注目が集まるなか、反射板を思わせる蛍光色が多数のコレクションで取り入れられている。ネオンイエローに始まり、オレンジ、ピンク、ターコイズなど様々だ。ビビッドな色合いがコレクションにアクセントを加えていた。

10. ソックス
各デザイナーがあらゆるルックに合わせていたのがソックスだ。スニーカーはもちろん、サンダルからローファーにまで、シンプルな白、あるいはカラフルなものに、ストライプ、ロゴと幅広いソックスを色々なレングスでスタイリング。特にラグビー風の太いストライプが入ったものが人気だ。「マルニ(Marni)」は左右で柄の違うものを合わせていた。
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