2019/01/22
2019-20年秋冬メンズトレンド
2019/01/22
ロンドン、フィレンツェ、ミラノ、パリで発表された2019-20年メンズコレクションから、キーとなる10のトレンドを紹介する。よりクラシックでエレガントなスタイルが復活する一方で、非常に現代的なアプローチが鍵に。ストリートウェアも勢いを失ってはいないが、より洗練された形にアップデートされていた。
1)クラシックスーツ

スーツが表舞台に戻ってきた。パリのファッションウィークを締めくくった「セリーヌ(Celine)」でも様々なバリエーションで登場したが、他にもほとんど全てのブランドのコレクションに見られ、これまでのストリート・スポーツウェアトレンド全盛が少し遠ざかった印象だ。
「トム・ブラウン(Thom Browne)」はドレスのようなスーツを提案していたが、ブレザーとタックパンツ、ワイドパンツなどのトラディショナルな組み合わせも目立つ。さらに、「ダックス(Daks)」、「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)」のようなバンカーストライプのスリーピースや、グレンチェック、ヘリンボーン、チェックやダークトーンのウールといったメンズウェアのアイコニックな素材を用いたテーラードスーツがあらゆるコレクションに登場している。
2) スーパーロングなパンツ

ジャケットと同じく、横にも縦にも伸びているのがパンツだ。特にランウェイで目についたのは、40年代風のヴィンテージライクなワイドシルエットのトラウザーズだった。ゆったりとした幅に、長く伸びる裾。「ディオール(Dior)」や「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のような大手メゾンも若手デザイナーも、時にはオーバーサイズのバギーパンツにまで幅を広げて提案していた。
3) インナーonアウター、新しいレイヤード

今シーズンはクリーンでクラシックな新しいエレガントが盛り上がりつつあるが、そこにナチュラルでノンシャランな態度を加えることで、格式ばらないルックに仕上げていた。「プラダ(Prada)」、「マルニ(Marni)」、「ディースクエアード(Disquared2)」、「Y/プロジェクト(Y/Project)」、「CMMN SWDN」のようにセーターをジャケットやダウンの上から着たり、ジャケットをコートの上から、あるいはシャツの下に重ねる「OAMC」、「Beyond Closet」、「ウーヨンミ(Wooyoungmi)」のスタイリングのほか、「マルニ(Marni)」、「ベッドフォード(Bed J.W. Ford)」、「アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)」ではジャケットやシャツ、カーディガンを二枚重ねてそれぞれ別のアイテム同士でボタンを掛け合わせる着方も。
4) マウンテンシック

大ぶりのマフラーにウールのニットキャップ、ローゲージの厚いハイネック、ノルディックセーター、ランバージャックシャツ、スキーのオーバーパンツ、オーバーサイズのダウンコートなど、"山登り"ルックがあらゆるランウェイに登場。分厚い靴底のマウンテンブーツも人気だった。
設立以来このスタイルを軸にしている「ホワイトマウンテニアリング(White Mountainering)」はもちろん、「ディースクエアード(Disquared2)」のスキールック、「ウォルター ヴァン ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)」のムーンブーツ(Moon Boots)やカラフルなジャンプスーツに始まり、よりジェントルマンなスタイルを見せた「エンポリオ・アルマーニ(Emporio Armani)」、そして「Juun. J」や「タカヒロミヤシタザソロイスト(Takahiromiyashita TheSoloist.)」、「レゾム(Les Hommes)」、「フィリップ・プレイン(Philipp Plein)」、「アンダーカバー(Undercover)」、「ケンゾー(Kenzo)」でも登山やハイキングの要素が見て取れる。
5) サバイバル・プロテクションウェア

極限の環境下に置かれた人間は、外敵から身を守る必要がある。鎧のような"殻"を纏うトレンドはここ数シーズン続いていたが、今季はそれがより顕著になった。特に、頭部を覆うマスクのようなディテールは印象的だ。「ジル・サンダー(Jil Sander)」では、第一次世界大戦の軍用ヘルメットを思わせる帽子が登場した。
また、「オフ-ホワイト(Off-white)」は野球ヘルメット、「Juun. J」はダウンで仕立てたヘルメットをそれぞれ提案。「ヴェトモン(Vetements)」や「アンドレア・クルーズ(Andrea Crews)」ではモデルの顔をすっぽりとバラクラバが覆う。「サンカンズ(Sankuanz)」のバイカーグローブや「ディオール」の防弾チョッキのほか、「アコールドウォール(A-Cold-Wall)」は透明なプラスチックでバリアやアーマーといったものを作って装着させてしまった。「ロエベ(Loewe)」では三銃士のようなサイハイブーツが多くのルックに合わせられている。
6) ボア・ファー素材

男性的な硬いワードローブを和らげる素材使いもトレンドに。ペールピンクなど明るいトーンからブラック、ネイビー、グレーまで、柔らかいボアやファーが様々なアイテムに使われていた。エコファーの進化も影響していると言えるだろう。ジャケット、ジレ、ブルゾン、コートなどのアウターはもちろん、セーターとしても登場した。
7) バイカラー

男性的な硬いワードローブを和らげる素材使いもトレンドに。ペールピンクなど明るいトーンからブラック、ネイビー、グレーまで、柔らかいボアが様々なアイテムに使われていた。エコファーの進化も影響していると言えるだろう。ジャケット、ジレ、ブルゾン、コートなどのアウターはもちろん、セーターとしても登場した。
8) レザーのブレザー

ブラックレザーのダブルジャケットがメンズワードローブの新しいスターになりそうだ。ヴィンテージライクな魅力のあるアイテムは、白黒時代の銀幕を思わせるもの。他にもレザーパンツは様々な色で展開されていた。
9) ドレス

メンズ向けのマキシ丈ドレスも複数のコレクションに登場。「ファセッタズム(Facetasm)」のタブリエ型、「ルイ・ヴィトン」のシルクプリーツドレス、そして「アクネ ストゥディオズ」ではフリンジ付きのポンチョという形で提案されていた。僧侶のチュニック風スタイルも多い。「Pronounce」ではブラックのコットンで、「クレイグ・グリーン(Craig Green)」ではチェック柄、「Sean Suen」と「ボリス・ビジャン・サベリ(Boris Bidjan Saberi)」ではニット、「ロエベ」はスウェット風のジャラバを打ち出した。
10) 赤と黒

次の秋冬のメンズワードローブには、赤と黒がマストになるだろう。「ドルチェ&ガッバーナ」のようにレッドのカシミヤコートの襟にブラックのファーをあしらったアイテムや、「Ami」のセーター、マフラーにブラックジーンズというルック、「Juun. J」の真っ赤なオーバーサイズダウンにスポーティなブラックナイロンパンツを合わせたスタイリングなど様々だ。特にレッドとブラックのタータンチェックはランウェイのあちこちに見られた。
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