2015/05/19
6月開催の第88回ピッティ ウオモ、多数の新プロジェクト導入で「衝撃的な」展示会に
2015/05/19
6月16日〜19日、フィレンツェで「第88回ピッティ ウオモ(Pitti Uomo 88)」が開催される。世界的なメンズファッションの展示会として揺るぎない地位を確立したピッティだが、次回も新たに、多彩なプロジェクトが予定されているという。「熱気あふれる会場でトレンドとエネルギーを大いに体感してほしい」と胸を張るのは、ピッティ・イマージネ社のアゴスティーノ・ポレット(Agostino Poletto)副本部長だ。
ラファエロ・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)同社CEOも、「多くの新プロジェクトが導入され、充実した展示会になるはず」と話す。
6月15日には前夜祭として、ルネッサンス期の衣装をまとった人々がフィレンツェ市内の歴史地区を練り歩いた後、サンタ・クローチェ広場(Piazza Santa Croce)に集合して「古代サッカー」を再現する(サッカーの原型といわれるこのスポーツは、手足を使って大きな球を相手陣地のゴールに入れるもの。1530年2月、皇帝軍に包囲されたフィレンツェの市民の士気を高めるためにこの広場で試合が行われたことで知られる)。

「(第88回は)衝撃的なピッティになる」と自信を示すピッティ・イマージネ社のガエターノ・マルゾット(Gaetano Marzotto)社長は、こう説明する。「公共団体や政府の支援により、これまで当展示会に足を運んだことのない中央アジア諸国のバイヤーや、日本や韓国のバイヤーにも呼び掛けを行った。6月展では新たに約100組のバイヤーが訪れる見込みだ。ピッティは、海外ではまだあまり知られていないイタリアの中小企業と世界の架け橋となる必要がある」。
また、最終日の19日には、フィレンツェとミラノを結ぶ特別高速列車「ファッショントレイン」を運行。ピッティ訪問後、ファッションウィークが開催されるミラノへと移動するバイヤーやプレス担当者のために、車内にはケータリングなどさまざまなサービスを用意するという。マルゾット社長は、こうした連携により「ようやくイタリアで本格的なメンズファッションウィークが組織できるようになった」と話す。この他、フィレンツェとミラノをつなぐイベントも数多く予定されている。例えば、イタリアで活躍するウィーン出身の若手デザイナー、アーサー・アルベッセ(Arthur Arbesser)は、ピッティに参加した後、ミラノで初めてランウェイショーを行う。
6月16日〜19日開催の第88回ピッティ ウオモでは、1150ブランドが出展予定(前年は1100ブランド)。そのうち460ブランド(40%)が海外ブランドだという。「That’s Pitticolor !」をテーマに、さまざまなイベントに彩られた、充実した日程を提案する。

今回の大きな変化のひとつは、ウィメンズ プレコレクションを取り扱う「ピッティ ウーマン(Pitti W)」の廃止だ。ここ数シーズンのランウェイで見受けられる、ユニセックスなトレンドを受けた動きといえる。「Pitti W」に代わり「Open」と題したスペースを新設し、「男性でも女性でも身につけられるアクセサリーやアパレル」を提案する約20ブランドを迎える。ポレット副本部長は、「メンズとウィメンズという従来の垣根を越える『ユニセックス』という概念は、昨今の重要なトレンドとなっている」と話す。
また、前衛的なメンズブランドを取り扱うスペース「Touch !」を「Pitti W」が行われていた会場に移し、規模を拡大する。移転後は2000平方メートルのスペースで、約100ブランド(海外ブランドは70%)が出展するという。一方、クラシック&コンテンポラリーブランドが出展する「Futuro Maschile」もスペースを2倍に拡大し、約80ブランドを迎える。

「Futuro Maschile」内には、新たにポップアップストア「#Goldmaniac」も出店される。「#Goldmaniac」はバイヤーやジャーナリストに対し、Tシャツからアイウェアまで、各出展ブランドを代表するアイテムを集めたカプセルコレクションを提案するプロジェクト。コレクションは、有名ブティックがセレクトしたアイテムで構成される。プロジェクト初のコレクションを担当するのは、ミラノのセレクトショップ「アントニア(Antonia)」。今後は会期ごとに新たなパートナーを迎え、カプセルコレクションを提案していく。
不許複製・禁無断転載
© 2023 FashionNetwork.com