2014/09/20
DFSグループが伊ベネチアに路面型免税店をオープンへ:欧州進出を本格化
2014/09/20
免税店を展開するDFSグループが、イタリアのベネチアに「Tギャラリア」と呼ばれる路面型免税店をオープンする。LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)グループ傘下のDFSは、9月15日に記者会見を開き、ベネチアへの出店を皮切りに欧州市場に進出することを発表した。
DFSグループは香港に本社を置き、アジアを中心に北米、中東、オセアニア地域などで免税店を展開している。

DFSグループが欧州初の路面店を出店するのは、ベネチアのリアルト橋の近くに位置する旧ドイツ商館「Fontego dei Tedeschi」。面積は7906平方メートル、ガラス屋根に覆われた中庭を囲む、5階建ての歴史的建造物だ。1228年に建築され、1508年に火災のため再建されたこの建物は、当時(1228年建築、1508年再建)の建築としては斬新な、カナル・グランデ(運河)に面したシンプルなファサードが特徴だ。
DFSは1年半にわたる交渉を経て、この建物を所有する、ベネトン家の持株会社Edizione Holding S.p.A.(エディツィオーネ・ホールディング)傘下の不動産会社Edizioni Propertyとの合意に至った。DFSはベネトンと「長期賃貸契約」を交わし、2016年1月1日より賃貸料を支払うこととなるが、契約期間は明らかにされていない。DFSグループは、2016年夏のオープンを計画しているという。

DFSグループのPhilippe Schaus(フィリップ・シャウス)CEOは、「英国人建築家Jamie Fobert(ジェイミー・フォバート)の協力の下、2016年初頭より内装工事を開始する。数千万ユーロに及ぶかなり大規模な投資となるが、またとない機会でもある。この建物は古くから商業に使われてきた、ベネチアを象徴する歴史的建造物であり、人通りも激しいエリア。このような場所に出店できることはこの上ないチャンスだ」とコメント。
ベネチアに出店する理由については、「欧州進出にあたり、候補地としてはパリかローマを検討していた。その後ミラノ、ローマ、フィレンツェ、ベネチアに絞られ、最終的に、最も観光客の多い土地ということでベネチアに決まった。ベネチアには高級百貨店がなく、スキンケアや化粧品、腕時計といった一部分野では選択肢がまだまだ少ない。質の良い小売店が非常に少ない地域だと思う」と説明している。
DFSがベネチアに出店する新店舗では、旅行者向けに高級品を販売し、質の良い商品およびサービスを提供するという。また、商品の販売だけでなく文化的な側面にも力を入れ、カルチャーイベントなども開催する予定だ。

イタリアの職人や現地の伝統的な製品に焦点を当て、イタリア発のファッションブランドを中心に展開するほか、ジュエリー、ワイン、食品、土産品などはベネチアならではのアイテムを取り揃える。
ベネチアにオープンするTギャラリアは、約300人の雇用を創出する見込みだ。
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