Reuters
2017/04/25
JABラグジュアリー、「ジミー・チュウ」の次は「バリー」も売却か
Reuters
2017/04/25
ドイツの投資会社JABラグジュアリー(JAB Luxury)は先日「ジミー・チュウ(Jimmy Choo)」の売却を発表したが、「バリー(Bally)」の保有株式についても見直しを検討している。消費財事業へ回帰するという戦略再編の一環だという。

JABホールディングスは、ラグジュアリー業界から身を引き、コーヒーや食品といった消費財事業に集中することを決定しており、実際、今月はアメリカのベーカリーカフェチェーンのパネラ・ブレッド(Panera Bread)を約72億ドル(約 億円)で買収することに合意したばかりだ。
ラグジュアリー部門では、「ジミー・チュウ」と「バリー」の他に「ベルスタッフ(Belstaff)」も所有しているが、今後は展開事業の中で異色の存在となってしまうことになる。一方で、JABは化粧品メーカーの米コティ(Coty)グループの株式を引き続き保有する意図も明らかにしている。
「JABは、成功を収めている中核ビジネス、つまりコンシューマーグッズの分野に注力するという戦略的決定を下した。これにはコティ社も含まれる」と発表した同社。「バリー」見直しには近く着手し、本年下期中に完了する予定だという。
同社は「ジミー・チュウ」の株式67.7%を所有している。2014年にロンドン証券取引所に上場した際に140ペンスだった「ジミー・チュウ」株は、売却が発表された4月24日に182ペンスと最高値を記録した。会社の時価総額は約7億2000万ポンド(約1017億8500万円)となっている。
「『ジミー・チュウ』はアジアや中東で売上を伸ばしており、イギリスの有名ブランドを求める国外企業からのオファーがあるかもしれない」と分析するのは、Cavendish Corporate Financeのジョナサン・バクストン(Jonathan Buxton)氏だ。
英国の企業買収規に関する専門機関「テイクオーバーパネル(Takeover Panel)」も、同社が"フォーマルな買収手順(formal sale process)"に則って、第三者と内密に協議できるという内容で合意している。しかし、発表時点ではまだ何の接触も受けていないという。
「ジミー・チュウ」の16年通期決算は、EBITDAが前年比15.7%増の5900万ポンド(約83億4100万円)だった。
(2017年4月25日現在、1英ポンド=141円で換算)
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