2018/10/12
LVMHがリローンチする老舗メゾン「ジャン・パトゥ」、トップには「ニコラス・カークウッド」現CEOが就任
2018/10/12
LVMHグループは、買収を完了し今後再始動を進めるフランスの老舗メゾン「ジャン・パトゥ(Jean Patou)」のCEOにソフィー・ブロカール(Sophie Brocart)任命した。
先月には、「カルヴェン(Carven)」や「ニナ・リッチ(Nina Ricci)」で腕を振るったデザイナー、ギヨーム・アンリ(Guillaume Henry)が「ジャン・パトゥ」のクリエイティブディレクターに決定している。
LVMHファッショングループ(LVMH Fashion Group)のシドニー・トレダノ(Sydney Toledano)会長兼CEOは、「ソフィー・ブロカールを『ジャン・パトゥ』のトップに迎えられてうれしく思う。クリエイティブディレクターのギヨーム・アンリと共に、この歴史あるメゾンを再始動させてくれるだろう。大きな成功を収められるよう願っている」と社内文書でコメントしている。LVMHファッショングループは、「セリーヌ(Celine)」、「ジバンシシィ(Givenchy)」、「マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)」、「ロエベ(Loewe)」、「エミリオ・プッチ(Emilio Pucci)」、「ケンゾー(Kenzo)」、「ニコラス・カークウッド(Nicholas Kirkwood)」、「ジャン・パトゥ(Jean Patou)」といったブランドを束ねている。今夏、LVMHは英Designer Parfums社から「ジャン・パトゥ」の経営権を取得した。
ブロカール氏は「ニコラス・カークウッド」で4年間CEOを務めており、LVMHの若手育成に関するチーフメンターとしても活躍、「LVMHプライズ(LVMH Prize)」優勝者のコーチングなども担当している。また、LVMHが「JWアンダーソン(JW Anderson)」の少数株式を取得した後にジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)とも仕事をしていた。
「『ジャン・パトゥ』は非常に面白いプロジェクトで、やりがいを感じます。しかし、我々はまだスタート地点に立っただけの段階なので、社屋も見つけなくてはいけません。とにかく一番大事なのは、クリエーションに専念してギヨーム・アンリが自分を出しきれる環境を作ることです」とブロカール氏は本紙に話す。
ダンディを体現していたジャン・パトゥは1912年に自身のメゾンを立ち上げた。1925年には初のフレグランス3種を発売。創業者の死後も、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)やジャン=ポール・ゴルチエ(Jean-Paul Gaultier)など才能あるデザイナーがコレクションを担当した。
今回の人事に伴いソフィー・ブロカールは「ニコラス・カークウッド」CEOを退任するが、その後継者も近いうちに発表される予定だ。しかし、LVMHのチーフメンターに関しては続投するという。
ブロカール氏はパリ政治学院とENSAEを卒業し、さらに高等師範学校の経済修士も取得するなど、名だたるグランゼコールで学んだ。LVMHでは、グループ本社や「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」、「セリーヌ(Celie)」で腕を振るっている。
現在、LVMHではグループ内での人事異動が続いており、先月には「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のコミュニケーションディレクターだったジェニー・ガリンベルティ(Jenny Galimberti)が「JWアンダーソン」の新CEOに抜擢された。
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