Reuters
2016/10/12
LVMH、アマゾンでの販売は「あり得ない」
Reuters
2016/10/12
LVMHは、アマゾン(Amazon)とのビジネスの可能性を「あり得ない」と否定している。アマゾンは現在、「マイケル・コース(Michael Kors)」、「カルバン・クライン(Calvin Klein)」、「ケイト・スペード(Kate Spade)」といった"手の届くラグジュアリー"と呼ばれるブランドを販売しているが、LVMHにとっては、ラグジュアリーブランドに適した媒体ではないようだ。
第3四半期決算の発表後に開かれた投資家向け電話会議にて、「アマゾンのビジネス形態はLVMHに適したものではなく、傘下のいかなるブランドにも合わない」とグループのジャン=ジャック・ギオニー(Jean-Jacques Guiony)CFOは話した。
「差し当たり、彼らと取組をする可能性は全くない」。
近年、アマゾンはファッション、ジュエリー、ウォッチといったカテゴリーの小売りにも力を入れている。しかし、プレゼンテーションの形式や値引きのシステムなどの観点から、イメージダウンを恐れる高級ブランドの取り込みには成功していないのが現状だ。
LVMHやシャネル(Chanel)、リシュモン(Richemont)といったラグジュアリーグループは、特定のウェブサイトでの販売を拒否する権利を欧州議会から得ようと2010年以来尽力してきた。やはり価格設定とコピー商品流通の懸念という理由が大きい。
最近のテロ事件を受け、欧州のラグジュアリー市場からこのまま観光客が遠ざかってしまうことも考えられるほか、先行き不透明な世界経済も需要を停滞させる要因になり得る。
しかし一方で、LVMHによると、第3四半期の中国本土の売上は、第1四半期の1桁台中盤から2桁台中盤まで回復したという。「中国の消費は(LVMHグループの売上の3分の1を占めるが)非常に好調だ」とCFOは投資家に説明している。
「ダナ・キャラン(Donna Karan)」売却による影響を除けば、グループのファッション&レザーグッズ部門におけるオーガニックグロースは7%以上になるとギオニーCFO。
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