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NYタイムズ紙、「ヴィクトリアズ・シークレット」社内のセクハラの実情を探る

掲載日
2020/02/04

 米Lブランズ(Lブランズ)傘下のランジェリーブランド「ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)」を巡っては、この2年間ですでに様々な疑惑や問題が持ち上がっているが、2月1日付けでニューヨーク・タイムズ(The New York Times)紙が発表した記事によると、「女性蔑視、いじめ、ハラスメント」が横行する有害な環境だったようだ。

Instagram @victoriassecret


 その原因は、Lブランズ創業者兼会長であるレスリー・ウェクスナー(Leslie Wexner)と、ブランドの元CMOであるエド・ラゼック(Ed Razek)の2人にあると言われている。
 
 ニューヨーク・タイムズは、現役幹部と元幹部、従業員、下請け、モデルなど30人以上の関係者に聞き込みを行ったほか、法廷文書やその他の書類を参照し、そこから上記2名の行動をあぶり出した。

 ラゼック元CMOはプラスサイズやトランスジェンダーのモデルに対する発言で批判を浴び、昨年8月に退任した。同記事でも、社内での問題行動や従業員からの苦情が絶えなかったとされている。タイムズ紙がインタビューした人物の口からは、モデルに無理矢理キスしようとしたり、膝に乗れと命じたり、あるいは私的なディナーに招待して不適切なアプローチを行ったという目撃談が語られた。
 
 2018年の「ヴィクトリアズ・シークレット」のファッションショーでは、フィッティングの際のベラ・ハディッド(Bella Hadid)に対し、公然と「このパーフェクトな胸を晒したままランウェイを歩く」のをテレビが許すかどうか、といった発言をしたという。
 
 また、ハラスメントはモデル相手だけにとどまらず、とある女性従業員の体重を公の場で揶揄したこともあると言われている。
 
 ラゼック氏の退任後、パブリックリレーションズのトップを務めるモニカ・ミトロ(Monica Mitro)が同氏に対する苦情を訴えたとの証言もあった。しかし、翌日には人事部がMitro氏に対し休職を言い渡した。現在はすでに会社側と示談に至っているという。
 
 こうしたエド・ラゼックの問題行動についてはウェクスナー会長も認識していたらしいが、その後も社内に変化が起きることはなかったと関係者は話す。一方で、ラゼック氏は会長との良好な関係をかさに着て好きなように振舞っていた。
 
 現在82歳のレスリー・ウェクスナー自身にも、「ヴィクトリアズ・シークレット」のイメージを貶めるだけの原因があった。未成年者に対する性的搾取の疑いで逮捕・起訴されたジェフリー・ウェクスナーとの関係だ。エプスタイン被告はかつてウェクスナー会長の資産運用も任されていた人物だが、犠牲者を誘い出すため「ヴィクトリアズ・シークレット」のスカウトを名乗っていたと複数のモデルが証言している。3人のLブランズ幹部によれば、90年代半ばにエプスタイン被告に関する警告を受けていたものの、「ウェクスナー氏が申し立てに対して行動を起こす様子はなかった」という。
 
 ウェクスナー会長が引退し、「ヴィクトリアズ・シークレット」を売却する可能性があるという話も先週報道されている。
 
 Lブランズのタミー・ロバーツ・マイヤーズ(Tammy Roberts Myers)広報担当は、タイムズ紙の取材に対し、会社はガバナンス、職場環境やコンプライアンスに「非常に真剣も取り組んでいる」と答えた。記事の内容については特別反論することはなかったという。
 
 一方で、ラゼック氏はこの記事の内容を「まったくのでたらめで、誤解しているか状況を理解していない」と評している。
 
 「ヴィクトリアズ・シークレット」恒例のファッションショーも、2018年末に過去最低の視聴率となった。昨年11月にはついにショーの中止を発表している。
 
 ブランドの売上もこの4四半期連続で落ち込んでおり、昨年は10店舗以上を閉鎖した。8月には親会社Lブランズ株が10年ぶりの安値を記録。先日のウェクスナー会長退任の噂で逆に持ち直した。

 

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