2015/07/17
NYファッションウィーク:メンズコレクション概観
2015/07/17
ニューヨーク・メンズファッションウィークは、概ね好評を得て7月16日に幕を閉じた。
1970年代のロックンロールダンディーを表現した「ジョン・バーバトス(John Varvatos)」が、初開催となる「ニューヨークファッションウィーク:メンズ」最後の夜を締めくくった。様々なスタイルのミックスが見られ、カラフルでリラックスした雰囲気となった2016年春夏シーズンには、50以上のブランドが参加。

今シーズンは日本からインスピレーションを得たコレクションを披露した「トム・ブラウン(Thom Browne)」や、「ポロ ラルフ ローレン(Polo Ralph Lauren)」、「トミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)」、「マイケル・コース(Michael Kors)」、「カルバン・クライン(Calvin Klein)」、「ラグ&ボーン(rag & bone)」、「パブリックスクール(Public School)」、「ティム・コペンズ(Tim Coppens)」、「マイケル・バスティアン(Michael Bastian)」、「ペリー・エリス(Perry Ellis)」、「ビリー・リード(Billy Reid)」、「オヴァディア & サンズ(OVADIA & SONS)」のほか、「ロバート・ゲラー(Robert Geller)」、「リチャード・チャイ(Richard Chai)」など。
「メンズが独立したことで、他のウィメンズブランドに紛れてショーをするより効果的な見せ方ができる」と昨年9月に話したのはティム・コペンズだ。さらに、時期的にも、7月のメンズ買い付けシーズンと重なることを指摘、既にショールームでコレクションを披露した後、9月に改めてショーをするよりも理に叶っている、と強調した。
「ニューヨークでやる、ということにも意味がある。ニューヨークにはパリとはまた違った独特の雰囲気があって、フレッシュだ。こういった街のムードというのもブランドにも僕自身にも大事なこと」だとティム。
ティム・コペンズのショーは15日の夜に行われた。スカイライト・クラークソン・スクエア(Skylight Clarkson Sq)の真っ白い空間で、90年代のカラフルでリラックスしたムードのコレクションを披露。
「イメージは、街から街へと渡り歩いて、色々な出会いを経験するような若い男の子たちのグループ。ちょうど僕が18か19の年でニューヨークに来た時のようにね。これは自分がかつて身を置いた世界の空気で、それを自分のブランドで表現したかった」とデザイナーは語る。

それより一足先にコレクションを発表したのは「トミー・ヒルフィガー」だ。チェルシー・アーツ・タワー(Chelsea Arts Tower)に、「テイラード」ライン24モデルを用意。夏らしいエレガンスに溢れた、スリムなシルエットに仕上がっていた。
「ナウティカ(Nautica)」はブランドの原点に忠実なコレクションに。水着だけ、あるいは水着に大きなジャケットやレインブルゾンなどを合わせたルックに、ボーダーや、クライスラービルをモチーフにしたニューヨークらしい柄などが用いられた。
「セオリー(Theory)」は都会的でミニマル、アンドロジナスなスタイルが特徴で、発表されたメンズアイテムの約半分を女性モデルが着こなしていた。「マイケル・バスティアン」はロサンゼルスの高級住宅地ベルエア地区にインスピレーションを得たが、やはりショーに何人か女性モデルを起用した。
アメリカファッション協議会(CFDA)が2年掛けて構想を練り、ついにこの2月、メンズに特化したファッションウィークの開催を発表。他のファッションウィークと同じように、今後は年に2回行われる予定だ。
「今のアメリカのメンズファッションは、いまだかつてないほど勢いがあり、クリエイティブだ」とCDFAのトップ、スティーブン・コルブ(Steven Kolb)。「メンズファッションは、我々の産業の中でも重要なセグメントの一つだ。個々ではなく、セグメント全体のレベルの高さを示すのに、良い機会となった」と評価した。
ミラノ、ロンドン、パリの3都市では、すでに何年も前からメンズファッションウィークが開催されている。しかし、ニューヨークではこれまで、9月と2月のファッションウィーク中に一気に何百ものショーが行われ、メンズ勢はウィメンズブランドに押されることが多かった。
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