2017/09/14
NYファッションウィーク、5つのキートレンド
2017/09/14
今シーズンのニューヨークはやや盛り上がりに欠けた感もあったが、会場が様々に散って楽しませてくれた。今シーズン、ニューヨークで見られた5つのキートレンドを紹介する。

まだまだ終わらないアスレジャー
リアーナの「フェンティ プーマ バイ リアーナ(Fenty Puma By Rihanna)」は、バイカーショーツ、スキューバトップス、パシフィックブルーのナイロンオーバーオールにロゴ入りマウンテンブーツを合わせたスタイリングなど、アクティブスポーツウェアの要素に溢れていた。また、「パブリックスクール(Public School)」はセミシアーなナイロントレンチをカクテルドレスに落とし込んだり、スウェットシャツをミニドレスにしたりといったアプローチを。そしてシューズももちろん、テッキーなスポーツシューズだ。「マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)」はそれをイヴニングバブーシュにしたり、フリンジ、タッセルをあしらったりしていた。
「ニューヨークがスポーツウェアの都であることを忘れてはいけない。ヨーロッパに帰るとこういうものは見つからないわ!ストレッチ素材やテクニカルな加工を施したドローストリングのパーカや、シルクナイロンのウェアもアメリカではまだ大きな潮流ね」と話すのは、米百貨店「バーグドルフ グッドマン(Bergdorf Goodman)」のリンダ・ファーゴ(Linda Fargo)ファッションディレクターだ。

80年代風ショルダーとパワースーツ
「トム・フォード(Tom Ford)」は、メタリックローズのパワーショルダーブレザーでトップバッターを飾り、他にもビッグジャケットが様々な形で登場。「オスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar de la Renta)」のローラ・キム(Laura Kim)とフェルナンド・ガルシア(Fernando Garcia)は、ロングジャケットを多用していた。他にも、「モンス(Monse)」では、ウィンドウ・ペン チェックのダブルジャケットを、やはりパワーショルダーの形で提案している。
「サックス・フィフス・アベニュー(Saks Fifth Avenue)」のトレイシー・マーゴリーズ(Tracy Margolies)チーフマーチャントは、「パワースーツはまだ過ぎ去っていないわ。絶対よ」とほほ笑んだ。
イージーorストラクチャー
今季のニューヨークでは、浮遊感のあるウェアが目立った。スカーフドレスや、体のまわりを揺蕩うようなカクテルドレスなどが登場。「トリー・バーチ(Tory Burch)」のショーでは、70年代のインテリアデザイナー、デービッド・ヒックス風プリントを施したカフタンやチュニックが躍った。「コーチ(Coach)」のコレクションの核となったのはリトルスリップドレスで、「モンス」もまた、ブロードのメンズシャツを引き裂いたアイテムがパラシュート並みのボリュームシルエットを提案した。
ファッションノスタルジー
現在のアメリカで起こっている政治的な問題とその下品さから逃れるよう、古き良き時代のエレガンスを追求する向きもあった。その傾向は特にニューヨーク出身ではないデザイナーに顕著だ。グラマラスなカクテルを再現したテキサス出身の「ブランドン・マックスウェル(Brandon Maxwell)」や、オードリー・ヘップバーン、グレース・ケリーといったアイコンに賛歌を捧げたベネズエラ出身の「キャロライナ・ヘレラ(Carolina Herrera)」。また、「クリーチャーズ・オブ・ザ・ウィンド(Creatures of the Wind)」の素晴らしいコレクションでは、60年代カウンターカルチャーの反骨精神にインスパイアされたアーティザナルなコートが目を引いた。

アメリカ的なるもの
「カルバン・クライン(Calvin Klein)」で、ラフ・シモンズ(Raf Simons)はアメリカンドリームの裏側を描いてみせた。一方の「コーチ」がキース・へリングに捧げた賛歌においては、ニューヨークのアートシーンに見られたオプティミズムが見事に切り取られていた。
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