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NYFW総括、"自分らしく"

掲載日
2020/02/17
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  今シーズンのニューヨーク ファッションウィークは、有名デザイナーを欠いたことでやや縮小した印象だった。しかし、それでもコレクションの内容をよく見てみれば、質の高い洋服が揃っていたことがわかるはずだ。

Proenza Schouler - Fall-Winter2020 - Womenswear - New York - © PixelFormula


 また、全体の雰囲気もシリアスなものだ。中国からの招待客は姿を見せず、まるで15年前に戻ったかのような様相を呈していた。
 
 しかし、ソフトでセンシュアルなアイテムをサステナブルな精神で仕立てたコレクションは明るいものだ。新型ウイルスの流行から政治まで先行きが不安な状態ではあるが、デザイナーはそれぞれがブランドのDNAを探求しつつ、自分たちに今できる最良の仕事を実現していた。

 「プロエンザ スクーラー(Proenza Schouler)」は硬めのシルエットとノンシャランなドレーピングを組み合わせ、ジャケットやドレスをオフショルダーで仕上げていた。今シーズンでも指折りの重要なランウェイとなった。
 
 また、「オスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar de la Renta)」と「カロリーナ・ヘレラ(Carolina Herrera)」は、それぞれディレクターアーティスティックを務めるフェルナンド・ガルシア(Fernando Garcia)とローラ・キム(Laura Kim)のデュオ、そしてウェス・ゴードン(Wes Gordon)が、クラッシィでありながらブランドらしいクリエーションを見せた。
 
 また、ガルシアとキムの手掛ける「モンス(Monse)」では、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)の再来かと思うようなコレクションが、

Monse - Fall-Winter2020 - Womenswear - New York - © PixelFormula


 今期はアカデミー賞授賞式と日程が重なったため、ロサンゼルスでのイベントも多く開かれた。アメリカファッション協議会(Council of Fashion Designers of America)(以下、CFDA)会長も務めるトム・フォード(Tom Ford)も、ニューヨークではなくロサンゼルスでランウェイを披露。他にも、元「ソニア・リキエル(Sonia Rykiel)デザイナーのジュリー・ド・リブラン(Julie de Libran)はハンコックパークでコレクションを発表した。
  
 とはいえ、ニューヨークでも若手が目を引いた。特に「LeQuan Smith」は、ヒップホップのグラマラスなスタイルを取り入れたハイブリッドなクリエーションで際立っていた。スーパーヒロインのコスチュームのようなパッファージャケットや、シャイニーな素材のキルティングコートなど面白いアイテムが登場。
  
 「ジマーマン(Zimmermann)」も自分たちのDNAに忠実だった。明るいカラーでシグネチャーのレタリングやプレイフルなプリントをレイヤードし、ベルベットのトリム、スパンコールで刺繍したオーガンジーに、クリスタルのボタン、パステルのサングラス、チャームブレスレットなど、ヒッピーなスタイルを見せた。

Zimmermann Fall-Winter 2020 - Womenswear - New York - Zimmermann


 マディソンアベニューにショップもオープンした「ジマーマン」は、アメリカで今一番注目の国外ブランドと言えるかもしれない。ちなみに、マディソンアベニューといえば、アイコニックな店舗を抱える「ラルフローレン(Ralph Lauren)」に関しては、今回ショーはおろかプレゼンテーションすら行っていない。
 
 とにかく、様々な情勢が暗い影を落とすなか、今期ショーを行ったニューヨークのデザイナーたちは「自分らしさ」を貫き誠実な姿勢を見せた。
 

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