PVH、「カルバン・クライン」不調で市場の予想下回る

 米PVHコープ(PVH Corp)が発表した第3四半期業績は、「カルバン・クライン(Calvin Klein)」の不調を受け、売上高が2年ぶりに市場の予想を下回った。決算発表後の同社株は8%近く下落。

Instagram: @calvinklein

 PVH傘下では「トミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)」に次ぐ規模のブランドである「カルバン・クライン」だが、ブランド見直しを進めて若者に訴求力のある商品展開を図ってきた。
 
 ラフ・シモンズ(Raf Simons)を起用してラグジュアリーなコレクションを展開する「カルバン・クライン 205W39NYC(Calvin Klein 205W39NYC)」ラインも、リブランドの目玉となっている。
 
 「『カルバン・クライン 205W39NYC』に対する投資に対する見返りが十分ではなく、失望している」とPVHのエマヌエル・キリコ(Emanuel Chirico)CEOは話す。
 
 また、同じくラフ・シモンズが手掛けるようになった「カルバン・クライン ジーンズ(Calvin Klein Jeans)」ラインに関しても、「価格が高すぎる」商品がいくつか存在し、計画通りの売上を達成することができなかったという。
 
 ギャップ(Gap Inc)社やアーバンアウトフィッターズ(Urban Outfitters Inc)社をはじめとする他アパレルメーカーは、90年代リバイバルのスタイルとSNSを駆使したマーケティングでミレニアル世代の取り込みを目指している。
 
 PVHもまた、広告にジャスティン・ビーバー(Justin Beiber)を起用したほか、アマゾン(Amazon.com Inc)との協業によりアプリ経由でデニムのバーチャル試着ができるポップアップストアを開設するなど、若い世代へのアプローチを図ってきた。
 
 しかしこうした努力は実を結ばず、第3四半期の「カルバン・クライン」ブランドのEBITは1億2100万ドル(約137億3900万円)と前年同期1億4200万ドル(約161億2300万円)から落ち込む結果となった。クリエイティブおよびマーケティング費用の増加が主な要因だ。
 
 「販売店舗の選択についても問題があった印象だ。『メイシーズ(Macy’s)』や『アマゾン』などに置く品揃えにしては、少しファッション性がありすぎるものもあった。この点は改善されるだろうと考えている」と話すのは、Jane Hali & Associatesのリテールアナリスト、Jessica Ramirezだ。
 
 しかし、これはちょっとした障害に過ぎないとも同氏。「リローンチということで、まだ試行錯誤しているのだろう」。
 
 一方、「トミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)」はレトロなストリートトレンドに後押しされたこともあり、11%の増収となった。
 
 PVHグループは、年末商戦での売上を加味して通期の利益予想を上方修正し、調整済み利益は一株当たり9.33~9.35ドルを見込む。
 
 グループの第3四半期の純利益は1.6%増の2億4310万ドル(約276億300万円)、売上高は7%増の25億2000万ドル(約2861億3300万円)だった。
 

(2018年12月3日現在、1米ドル=114円で換算)
 

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