2018/02/13
ジェイソン・ウー、ヒューゴ・ボスを去る
2018/02/13
ジェイソン・ウー(Jason Wu)が、5年間デザインを手掛けたヒューゴ・ボス(Hugo Boss)を去る。後任は決定しておらず、いつ発表されるかについても明らかになっていない。
2013年6月にヒューゴ・ボスのウィメンズウェアを手掛けるアーティスティックディレクターに起用されたウーだが、彼を抜擢したクラウス=ディートリッヒ・ラース(Claus-Dietrich Lahrs)前CEOは2016年5日に解雇されてしまった。
同じく2016年の11月には、ニューヨークでの「ボス」のランウェイショーが突然キャンセルされ、「ボス オレンジ(Boss Orange)」や「ボス グリーン(Boss Green)」といったラインの終了が決定した。さらにマルク・ランガー(Mark Langer)新CEOは、「ラグジュアリー市場から脱し、ブランドの出発点であるプレミアムメンズウェアと言う位置づけに戻る」とも発表している。ヒューゴ・ボスのウィメンズウェアの売上構成比は、10%程度のものだ。
ジェイソン・ウーはニューヨークとドイツ本社を行き来して精力的に仕事をこなし、素晴らしいランウェイを行ってきた。特に初期のバウハウス的な要素の感じられるショーは、高い評価を得ている。また、フォトグラファーにイネス&ヴィノード(Inez & Vinoodh)、モデルにエディー・キャンベル(Edie Campbell)とアンナ・エワース(Anna Ewers)のような売れっ子を起用してブランドイメージの刷新も図った。そして何より、ブランドとウィメンズファッションを上手く結びつけた功績は大きい。
しかし、ランガーCEOはラース前CEOの戦略を大幅に変革する方針で、ウーが退任するのも時間の問題だと見られていた。ランガー氏は少しずつヒューゴ・ボスを立て直しており、2017年第3四半期の売上高は3%増の7億1100万ユーロ(約944億7000万円)となった。もちろん、「グッチ」と同様の勢いとは言い難い。
2月13日の夜には、ニューヨークのセダーレイク(Cedar Lake)でジェイソン・ウーによるヒューゴ・ボス最後のショーが行われる。デザイナーが頻繁に交代する今の時代、5年という任期はさほど悪いものでもないだろう。
(2018年2月13日現在、1ユーロ=133円で換算)
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