2015/08/03
ディーゼル、最新キャンペーンはシュールレアリスティックなアプローチ
2015/08/03
「ディーゼル(Diesel)」の新キャンペーンは、広告という存在そのもののセルフパロディーに仕上がっている。凝った言葉遊びや大げさなコピーの代わりに、ただ物事のあるがままを描写。これが「Decoded by DIESEL」のコンセプトだ。
プレスの説明する通り、「ユーモアをもってありのままをストレートに伝える表現」を用いた広告は、シュールレアリスムに通じるユニークな視点に立っている。ベルギーの画家ルネ・マグリット(René Magritte)の有名なパイプの絵と、『Ceci n’est pas une pipe(これはパイプではない)』の一文を彷彿とさせるものだ。
「ディーゼル」の広告では、パンツはもちろんパンツである。「this is where we tell you what to wear(こちらでは何を着るべきかをお伝えしています)」といったように、従来の誇張したキャッチフレーズではなく、ただ現実を率直に言い表しただけの文章が添えられる。
クリエイティブエージェンシー「スプリング・スタジオズ(Spring Studios)」が手がけ、撮影はリチャード・バーブリッジ(Richard Burbridge)が担当したこのキャンペーンは、7月末、全世界に先駆けてヴェネチアでスタートした。名所であるリアルト橋の修復工事を援助している同ブランドは、その上に広告を掲げる形を採った。
橋の中腹に掛かった巨大な看板には、肘をついた格好で腰掛けたモデルのイメージの横に、「This is a guy sitting on a bridge(男が橋の上に座っています)」という言葉が。
「消費者と直接、透明なやり方で触れ合うことが目的だ。デジタル全盛の時代、ソーシャルメディアを始めとしたあらゆる媒体からの情報を毎日受け取り、その複雑なメッセージを読み解く力のある人々に対して、セルフパロディー的な手法で敬意を表現したかった」という。
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