2017/11/09
ベイリー退任の「バーバリー」、戦略変更で超高級路線にシフト
2017/11/09
様々なニュースが続く「バーバリー(Burberry)」が、上期業績とともに戦略の変更を発表した。「ラグジュアリーに特化したポジションを築き」、「市場の中でも最も価値があり、永久的なセグメントで勝負をする」という。
現在、「バーバリー」はラグジュアリーと必ずしも言い切れないマルチブランド店でも販売されているだけでなく、ブランド直営店の中でも目指す高級感を達成できていない店舗は存在する。そうした店舗は閉鎖されることになるだろう。
「業界は変化しており、ラグジュアリーの消費者は革新性や編集力、驚き、そして何よりクリエイティビティを求めている」と同社。
価格設定には言及しなかったものの、商品は変わっていくという。「商品レンジを見直し、ファッションコンテンツを増強する。訴求力のある高級レザーグッズとアクセサリーを打ち出し、新規顧客の取り込みを目指す。また、アパレルの強みを伸ばし、さらに発展させていきたい。商品展開の無駄を削りつつ、顧客に完成したルックを提案できるような品揃えを作り出す」。
店舗展開についても、ブランドのポジショニングに沿った販売網を確立すべく、ラグジュアリーでない卸先との取引やイメージにそぐわない直営店を「合理化」していくとした。まずは米国、EMEIA(欧州、中東、インド、アフリカ)地域から着手する予定だ。店舗の改装と「ラグジュアリーなサービスの強化」により、インストア体験を「変革」する。
上期業績
2017年上期(4-9月期)の「バーバリー」の業績は、売上高が9%増の12億6300万ポンド(約1877億9000万円)となった。ファッション性の高い商品がだったほか、「高額消費者層」の回帰、そして「ビューティーカテゴリの利益性が大幅に向上したこと」がけん引。
既存店売上高は4%増で、特に第2四半期中に大きく伸びた。また、調整後営業利益率は210ベーシスポイント増えて14.6%に。調整後営業利益は28%増の1億8500万ポンド(約275億700万円)だった。
「ファッションと新商品に対する反応が良く、特にレインウェアとレザーグッズが好調だった。為替も全地域で有利に作用した」と会社側。レインウェアにカーコート(Car Coat)やトロピカルギャバジン(Tropical Gabardine)といった先端技術を導入したことで、ファッショングッズは予想以上の売れ行きになったという。バッグも堅調に推移した。
ダイレクト・トゥ・コンシューマーのオンライン売上も全地域で伸びたが、特にモバイルとアジア太平洋地域がけん引する形になった。
小売事業では、アジア太平洋地域が記録的な伸びを見せ、中国本土では二桁台後半の増収。また、香港も回復を続けており、第2四半期には増収へ転じた。しかし、韓国では引き続き落ち込んでいる。EMEIA地域は一桁台半ばの増収となったが、「予想通り」第2四半期には「英国でわずかに下がった」。欧州諸国では、フランスとドイツが第2四半期に上向いたが、イタリアでは停滞傾向が続く。中東は厳しい状況だ。
米州は第2四半期にやや回復が見られたものの、国内および観光客の消費が落ち込み、減収となっている。
(2017年11月9日現在、1英ポンド=149円で換算)
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